【関内はじめて物語】1杯1万円!?日本人初のアイスクリーム店

夏になると食べたくなるものといえば、アイスクリーム!好きなデザートランキングでも、ケーキやチョコレートをおさえ一番人気。(2012年日本アイスクリーム協会調べ)

そんなアイスクリームを日本人が初めてつくって売った場所が、なんと関内にあるというウワサを聞きつけ、さっそく探しに行ってみることにしました。

太陽の母子象

太陽の母子象

関内駅北口から馬車道通りを歩くこと5分、関内ホール近くのスターバックスの前に「太陽の母子」という名前の像を発見。

一見アイスクリームとは関係なさそうに見えるこの像は、日本アイスクリーム協会がアイスクリーム発祥記念として、1976年に馬車道に寄贈したもの。

アイスクリームの原料のミルクから連想して、母乳で子供を育む母をイメージして制作されました。

目的のアイスクリーム発祥の地は、この像の向かい側。現在はビルが建っていました。(横浜市中区常磐町5-60)いったい、どんなお店だったのか気になりますよね。

遡ること約140年。

ここ馬車道で最初にアイスクリームを製造して販売したのは町田房蔵(まちだふさぞう)という人物。町田房蔵は、1860年に日米修好通商条約の最終確認のため、徳川幕府が派遣した使節団のメンバーでした。訪問先のアメリカで、日本人として初めてアイスクリームを食べたといわれているうちの一人です。

日本に戻った町田房蔵は1869年、その体験を生かして、馬車道で「氷水店」を開店。

すでに日本人になじみのあった氷水(氷を細かく砕いて砂糖や蜜をかけたもの)と一緒に、アイスクリームを「あいすくりん」と名付けて販売したそうです。

これまでになかったおいしいスイーツの登場で、あっという間に人気に火がついたのでは?と思いきや、お店はなんと大赤字!

問題は高すぎる価格設定だったそうです。

小さなガラスの器に一盛りで金二分。金二分は当時の女工さんのお給料10日分、大工さんの日当2日分と、今の時代では1万円を超えるかもしれないというお値段。

製氷技術が確立されておらず、函館で切り出した氷を輸送しなければいけなかったため、アイスクリームの価格はとてつもなく高くなってしまったのです。馴染みがない上に高価すぎるアイスクリームは、庶民が手を出せるはずもなく、もの珍しげに眺める人がほとんどだったとか。

しかし、そんなピンチを脱するチャンスが到来します。

翌年開催された伊勢山皇大神宮の大祭で、町田房蔵は茶店(ちゃみせ)を出店。そこでアイスクリームを販売したところ、予想外の大盛況。これをきっかけに、横浜の街に「氷水店(アイスクリーム店)」が急増。町田房蔵は「アイスクリームの父」と言われています。

1964年には、東京アイスクリーム協会が馬車道でアイスクリームが製造販売された5月9日を「アイスクリームの日」と制定。

これを記念して馬車道では、昭和51年から5月9日の前後3~4日に渡りアイスクリームの発祥を知ってもらおうとイベントを開催しています。

イベント

1859年の開港によって外国文化が流入し、生活文化に大きな変化がもたらされた横浜。アイスクリームの他にも、ビール、牛乳、西洋野菜など横浜から全国に広まったものが多くあります。

ここ関内には、そんな「横浜もののはじめ」となった場所が多く存在しています。今年の夏は、アイスクリームを片手に関内の歴史めぐりの散歩をしてみませんか?


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この記事の著者

田村 里佳

田村 里佳

1984年生まれ。愛知県名古屋市出身。横浜市在住。大学卒業後、食品メーカーで広報やマーケティングに携わる。もともと書くことが好きだったこともあり、ライター講座に通ったことをきっかけに7年間の勤務を経てフリーライターに転身。

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