2016年10月16日

「旨い酒と熱いライブで盛り上がろう」YokohamaSakeRockFes開催!

ウスイ 潤 ウスイ 潤

「今をトキメク若手の蔵元が参加!」。日本酒を飲んで、ロック・フェスで盛り上がろう!を合言葉に、自身のバンドを立ち上げたミュージシャンであり、老舗酒屋横浜君嶋屋社長である君嶋氏が、業界を飛び越え実現したロック・フェスはこの度4回目を迎える。

関内新聞が新たに始める企画『編集長インタビュー』。記念すべき一回目のインタビューは、複数の顔を持つ君嶋氏の人物に迫ります。

吉野町にある株式会社横浜君嶋屋の本店。インタビューのために訪れたのは、朝の出荷の時間帯。店内には伝票をもった数人のスタッフが慌ただしくボトルを手にし、段ボールにワインや日本酒などを詰め込む作業を行っていた。

取材アポの旨を伝え、応接室に通される。続きの部屋から甘美なワインの香りが伝わり、君嶋氏と数人の声が聞こえる。どうやら試飲の真っ最中のようだ。

約束の時間、君嶋氏登場

いや、すみません。ウチで輸入しているシャンパーニュのオーナーが替わり、ブルゴーニュ的思考を持ったつくりに替わったので、その試飲をしていたんですよ。

来月生産者が来日するので、プロモーションを企画したりと、ちょっと仕事がたてこんでまして・・・。

横浜君嶋屋と言えば、日本酒の方に重きが置かれていると思っていたので、しょっぱなから驚かされる。
君嶋屋は、立ち飲みカジュアルスタイルで日本酒やワインも扱う店舗を銀座・恵比寿にも持ち、口コミが話題を呼び、各メディアもにぎわせているほどの企業。であれば、ワインを直輸入しているということも想像に難くない。

だとしても、午前中から試飲を含む会議があるとは…

君嶋社長は、(お酒を)飲まれる機会は多いんですか?
笑)そうですね、ずっと…、1日中、365日飲んでますね。
僕は浴びるように飲むほどお酒が好きなので、羨ましいですね
饒舌な語り口ではないが、ぽつりぽつり語る君嶋社長の人柄に、引き込まれるように対談が始まる。

横浜君嶋屋の黎明

社長就任はいつだったのですか?
32年前だったかな、24歳でした。そもそも立ち飲みの酒屋で、(業務用の)酒は置いてなかったんですよ。
君嶋社長が業務店に替えたのですね?しかも一代で!?

今、関内の飲食店でおいてあるお酒は大半が君嶋屋さんからの納品じゃないですか。

いやいや、そんなことはないですよ(笑


転換期にあった、横濱君嶋屋

当時は越乃寒梅のような、さらさらとしたお酒が流行っていました。飲みやすかったんですよね。
僕も初めて記憶した日本酒は、越乃寒梅だったと思います。
他のタイプの飲み口の酒があってもいいんじゃないかな、と思って、酒蔵巡りを始めました。
今でも巡られているんですか?
今でも巡っていますよ。今週末は兵庫の特A地区(酒米の特別地区)も見てきます。
日本酒の取り扱いを本格的に始めてから約32年という経験を持つ今もなお、日本全国の酒蔵、その土地を巡り、自身の目と舌で習得を続ける姿がそこにあった。
日本酒の取り扱いを始めてから、どのくらいでワインの取り扱いを始めたんですか?日本酒もワインも知識と情報を突き詰めていくのって、たいへんだったのでは?
ワインの取り扱いは、就任後5年くらい経ってかな。そもそも美味しいものが好きなんです。料理の素材を活かす、料理をさらに美味しく感じられる酒が好きです。和食には和の酒、洋食には洋の酒、またクロスオーバーして、いい相乗効果が生まれることもある。日本酒とワインを別のものだと考えたことはなかった。原料は違うけど、食事を楽しむ醸造酒ということで、違いは感じなかったですね。

酒と音楽の繋がり

今回行われるフェスでは、酒とロックを並べていますが、酒は仕事、音楽は趣味ですか?
そもそもは音楽が仕事だったんですよ。19歳からパンクバンドをやっていました。
そもそも、酒屋を継ぐことは考えていなかった。その理由とは、なんと酒嫌い!!しかし満寿泉に出会ったことで、人生が変わった、と語る。
酒屋を継ぐことになり、きっぱりと音楽を辞めました。25年はギターも弾かず、ミッシェルガンエレファントすら知らなかった。
酒蔵を巡り、ワインの取り扱いも始め、事業拡大に勤しんだ結果、現在の君嶋屋が確立された。
音楽にもどったきっかけは、なんだったのですか?
6年前、娘に誘われフェスに行きました。そこで、ELLEGARDEN ,10-FEETという最近のバンドがかっこよかったんですよ。触発されました。
君嶋氏の声のトーンが変わった。わくわくとした高揚感が伝わってくる。
このグループの他、原動力となったものはさらに、2011年3月の震災だった。自粛ムードだった街に元気を取り戻すため立ち上がる。横浜をロックで盛り上げよう、と。3つのイベント、YOKOHAMA SAKE ROCK FES、ROCK CITY YOKOHAMA、そして、地元である、地域活性お三宮フェス。このお三宮は、来年350周年を迎える。2016年が初フェスとなったが、今後は神奈川県内の酒蔵に声をかけ、お宮でアコースティックライブ、小学校のマーチングも含め、大人も子供も楽しめるように盛り上げたい、と語る。
各蔵元はロック・ライヴでの出店に対し、とまどいはないものですか?
まったく興味のない酒蔵は、ないんですよ。まあ、興味がありそうなところに声をかけていますから。
(酒を飲んでいると)盛り上がり度合いが過ごそうですね。
すごいですよ。会場が一体となって、楽しいです。


酒匠としての君嶋氏

酒蔵も世代交代の時期にあるのでしょうか。ラベルが斬新なものやオシャレなものに替わり、つくられる酒もかわってくるんだろうなと想像できて、個人的に楽しみなんです。
(酒蔵自身で)米を自分たちで作るようになり、今までにないことができてきている。期待できますね。ただ新しいものを常に求めるがために、飽きられ、(メディアや消費者に)見向きもされなくなった時が怖いです。君嶋屋としては、話題で選ぶことはせず、『(お互いに)長く付き合いたい』というところと付き合っていきたいと思っています。
ひと昔前、焼酎ブームがありましたが、プレミアがついて手に入らない…。気づいたら焼酎を飲まなくなってしまいました。日本酒はそうであってほしくないです。
若いミュージシャンで日本酒を飲む人が増えてきています。(会場の)ベイシスにも常備2種類あり、音楽を目的に来た人でも、日本酒があることで飲むきっかけになる。そこは導入と思っています。まずは若い人に酒に触れる機会をも持ってもらい、さらに、いい酒を伝えていかないと、伝統が廃れてしまう。いいものを伝えることが我々の使命だと思っています。
一見つながりがないように見えるもの同士でも、一方がきっかけとなって新たな世界が広がることにつながる。「ひとりでは何もできないですから」と、1+1=無限の可能性があることを語ってくれた。

今回開催のフェスの楽しみ方

音楽の曲調に合わせて、それぞれの酒が飲めたらいいと思うのですが。
いろいろなミュージシャンが、様々な曲を奏でるので、それぞれに楽しんでほしいです。酒も伝統的、革新的、古酒もあるので、それぞれ音楽との時間を楽しめますよ。
人と同じように個性様々な日本酒。ひとつの傾向を追いかけるのでなく、楽しんでいるうちに“この一杯”という酒に出会えるかもしれない。

ミュージシャンとしての君嶋氏

ミスティック・ウォーターの由来はどこからですか?
『神秘的な水』という意味で、酒、そのものです。
日本酒、焼酎をテーマにした曲もある。応援歌のようなもので、来月には鹿児島でライブが控えているという!海外出張に国内視察、さらに音楽活動。君嶋氏は1日24時間で足りているのか??

日本ソムリエ協会副会長としてのミッション

日本の素晴らしさ、日本人の心意気…、そういったものを伝えていきたいです。日本のワインも酒も農業製品であって、工業製品ではないんです。酒の生産者はもちろん、酒だけじゃなく農家もクローズアップさせたていきたいと思っています。
長年の経験を積み重ねている君嶋氏、多忙の時間を削ってでも酒蔵を巡り、各土地にて酒米の田んぼを訪れるのには、こういった使命感が突き動かしているようだ。
社長、ミュージシャン、ソムリエ協会副会長…、複数の顔を持っていらっしゃいますが、ご苦労も多いのでは?
正直、ここまで大変だと思わなかったです。体調も崩した時期もありました。でも責任もあるし、やり続けるしかないですよね。
日本ソムリエ協会副会長として日本全国でセミナーも行い、その他複数サロンにて講師として定期・不定期の講師も務める。ここまでの対談で、ひとりの人間とは思えないほどの役割を担っていることをうかがった。
いつ休んでいるんですか?
基本的に休みはないです。…、夜中に急に目が覚めて、はっとすることがよくあります。追われているんですね。忘れ物も多いですし(笑
いやー、かっこいいです、羨ましいです!
重圧という責任もあるだろう。しかしそれすらポジティブに楽しんでいるように無邪気さも持つ君嶋氏。「ひとりでは何もできないですから」と謙虚にも、惜しみなく持てる知識を与え、気概を持って道を拓くその姿にすっかり魅了されてしまった。



ミュージシャンとしての君嶋氏に出会える、10月23日関内BAYSISにて!

この記事の著者

ウスイ 潤

ウスイ 潤教授

海なし県、群馬に生まれ、「いつか、行ってみたいなヨソの国」を、20代の時期を費やし敢行。北極星に導かれ、辿りついた地は横浜。輝く数多ある星のごとく横浜の魅力を国内外に発信させるべく、関内を彷徨いスタアを拾い集めている。

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