関内新聞

【判明】北仲通に現れたドームで関内産レタスができるジャン!

今月初めに弁天橋のたもとに突如として現れたドーム型の建物。桜木町駅から関内へ向かうと必ず目につく場所に現れたこの施設。

年末に向けてのイベント用の施設ではないかと、少し期待に胸を寄せていた読者も多いのではないだろうか?

その気持ちも理解できる。

なぜならこの場所は、北仲通南地区の新市庁舎整備候補地で、過去にはサーカスが期間限定で開催されていた場所。年末に向け横浜市が税金を納める市民に娯楽を提供してくれる…。そんな期待を持たせてもおかしくない形をした施設が出現したのだから、この施設を見た大方の人が、そんな感覚を持ったとしても関内新聞は責めはしない。

 
テントウムシ型のドーム

しかし半透明のドームが覆っているから、サーカスとは考え難い。中に人影が見えることがあった日には、近くまで行って何の施設なのか尋ねてみようともしたが、人を寄せ付けないように周囲はフェンスで囲われている。

何なんだ、これは…。

 
関内新聞が、毎晩この施設のことが気になり、眠りにすらつけない夜を過ごしていると、関内新聞のGoogle+ページにあるユーザーから情報が寄せられた。

 

農場のようだ…。

 

まさかそんなはずはない。関内新聞はそのユーザーのコメント、素直に鵜呑みにすることができなかった。

なぜならば、ここは横浜関内。ランドマークタワーが見下ろす場所で、さらには土などどこにも見当たらない。こんな場所に農場などできるわけがない。

その気持ちが覚めない関内新聞は、その真偽を確かめるべく、真正面から取材を敢行。何と施設の中までの調査に成功した。

 
いざ、ドームの中へ。

ようやく念願だったドームの入口までたどり着く。この日は完成前に唯一報道陣に向け、施設が公開される日。

関内新聞の名刺をもってすれば、簡単に受付を通過することができた。

これこそがメディアの威力

期待に胸を膨らませ、いよいよドームの扉が開けられる。

一枚扉を開け中に入ったところ、すぐに別の扉が目前に迫る。

その光景に驚いていると…。

 

シューシュー
 
ぎゃ( > < )

 
何といきなり背後からコンプレッサーの強力な空気が関内新聞を襲ってきた。

聞くところによると、このドームは空気圧を調整して膨らみを保っているため、一枚扉だと外圧と内圧の差でドームがしぼんでしまうことがあり、厳重に2枚扉になっているそうだ。当然、一枚目の扉と二枚目の扉が同時に開け放たれることはないとのこと。

そしてコンプレッサーの空気で、人体についた目に見えない誇りを取り、中に持ち込まないように配慮もしている。

ランドマークタワーがこちらを見下ろしている。

そしていよいよ中へ侵入。中に入るといきなりランドマークタワーがこちらを見下ろしている。

この日は天気も良かったこともあり日差しが強く、また温度も一定に保たれていることもあり、かなり暖かい。

更にはこの眺めだ。

農場に取材にきているとは、まったくもって検討もつかないほど、半透明のドームの外にはランドマークタワーをはじめとしたみなとみらいのビル群や、桜木町駅前のビル、そして背中には関内の街並みが透けてみていている。

何とも不思議な光景だった。

更に不思議な光景は白い円盤のようなものの中心に人がいたこと。

中に入ると次に視界に飛び込んでくるのは、ドームの円周より少しだけ小さい白い円盤のようなもの。そしてのその中心は、人が数人は入れるようなスペースがある。

円盤の中心へは一本の渡り廊下のような可動式の橋で渡ることができる。関内新聞より先に到着していた報道陣が作業服の男性を取り巻き取材をしていた。

少々出遅れた関内新聞は、まず施設の中をくまなく観察。そこで確認したのは、天井部の中心に何やら傘の骨組みのような物体がぶら下がっていること。

後で確認したところ、これは「マスト」と呼ばれるもので機械操作で天井中心の一部を開閉できるようになっていて、温度の調節や空気の循環を促すために使われるのだとか。

 
そして施設内にはエアコンが5台設置。

わざわざドーム型の施設で農場を作るのだから当然のことかも知れないが、施設内はこのエアコン5台によって常に一定の湿度が保たれるようになっている。

 

何でも聞いてくださいね。

関内新聞が施設内を孤独に撮影をしているところに、作業服の人が歩み寄ってきてくれた。本当にそう言ったかどうか別として、その方がにこやかにほほ笑んでくれたので、関内新聞は独占取材することができた。

後から考えると遅れてきた分際で、何とも図々しいものだったが、そんなことはお構いなし。創刊まもなく読者も圧倒的に少ない関内新聞は、これを機会に何とか他紙に追いつこうと必死だから…。

 
ここで2週間ほど苗を育てる。

何と作業服の方は、この農場の農場長。

他の報道陣が遠くにいる間に、聞けるだけの内容を聞こうと関内新聞は質問を連発。

この水槽のような黒いシートのプールは、苗を育てる「育苗」のスペース。ここで苗を2週間ほど育て、準備をするのだそう。

育った苗は、白い円盤の溝に設置された、この白い筒のようなものにさして植えられる。

 

うっ…、植えられる(汗

まったく理解ができない状態に陥ってしまった関内新聞に、農場長は優しく説明を続けてくれました。この白い筒のようなものに苗を入れ、円盤の中心に入り、そこから円盤の溝に一つずつ植えていくということ。

この円盤は大きな水槽のようになっていて、円盤の底には水が張られていました。

ここまでお話を伺ったところで、ようやくこの施設が本当に「農場」であると理解できるようになった関内新聞は、引き続き独占的に農場長を捕まえ、更に詳しい話を伺いました。

この農場は、グランパ農場と言い、株式会社グランパが横浜市から業務委託を受けて期間限定で運営。約600平方メートル(野球の内野ぐらい)の広さに、農場長を含め、7名の人員でレタス栽培を行うという。

ドームの建設費は約3,500万円
建設期間は約2~3週間。

それに加え、横浜農場の場合は敷地の基礎工事が必要だったため、建設費はプラスアルファ。建設期間は、プラス2週間ほど要した模様。年明け1月7日から実際にレタス栽培を始め、約3ヶ月間で収穫を開始する予定になっている。

株式会社グランパでは、山梨県北斗市をはじめ、既に全国7ヶ所に農場を運営していて、この横浜農場で8ヶ所目になるという。

 
ロスが少なく効率的な生産と輸送費軽減が可能になる。

通常の土壌の農場であれば、一度に苗を植え、一度に収穫するのが一般的。また日当たりなどを考慮し、一株ずつ一定の間隔を置き育てる必要があり、無駄なスペースが生まれてしまう。

その問題を大きく改善したのがグランパ農場。

収穫時期をずらし無駄を減らすために、苗は白い円盤の中心から時期をずらしながら植えていく。そして成長とともに自動的に回転しながら円盤の外周へとレタスが送られていく。

 
苗の間隔は成長に合わせて次第に拡がる

もともとの円形の理を利用し、苗の成長に合わせて間隔が広がっていくようになっているのが、グランパ農場の大きな特長。円盤の中から苗を植え、収穫は円盤の外周で行う。

そこに至るまで約3ヶ月。時期をずらしながら苗を植えることによって、毎日収穫が可能となり、横浜農場のように都市部に開設できる点や、野球場の内野程度の土地の広さに約1ヶ月程度で設営できることなどから、地産池消スタイルが実現できるメリットがある。

農場長は更に、寒冷地などの地方で運営することにより、農家の収入の安定化を目指したり、レストランなどが運送費を抑え、日々野菜の安定供給を可能にするメリットがあるなど、グランパ農場の可能性はとてつもなく大きいと話してくれました。

農業経験のない人でも、少しの研修で簡単に栽培することが可能。

水耕栽培で肥料や農薬も簡単に散布することができるグランパ農場。そのことにより、農業経験がなくとも簡単にレタスの栽培ができるそう。

レタスの味は、通常の土壌栽培に比べ苦味が少なく美味しい。そのあたりも水耕栽培のメリットなのだという。

 
優しく説明をしてくれた農場長

この農場で作られたレタスは、この場所で現地販売も行う予定で、1株150円ぐらいで販売をされる。横浜農場は期間限定のためレタスの栽培のみの予定になっているが、その他のグランパ農場ではセロリやハーブ系の野菜などを栽培。実際に市場に出回っているということ。

このドーム型の水耕栽培を広めるため、横浜農場のドームの横にはセミナーハウスも隣接。施設の見学や、グランパ農場についての説明会などを開催する予定にもなっている。

市の職員(らしき)人の話によれば、セミナーハウスでの説明会のほか、小学生や一般の方の見学も受け入れる方向とのこと。

レタスの栽培が開始された後は、施設内での見学はできないが、ドームの外から中の様子を見学することはできるということ。今回は栽培開始前に報道陣に向けた取材対応として特別に公開されたのだそう。

 
実際に取材を終え関内新聞は、このグランパ農場でできる関内産のレタスに非常に期待を寄せている。この横浜の中心部でレタスが栽培され、期間限定とはいえ、そのレタスが関内のレストランでも消費される。そんなことが後数ヶ月で現実の話となり、関内新聞が取材するレストランでも味わうことができるようになれば…。

北海道や東北といった寒冷地では、農家の収入安定化。複数店舗で展開する飲食チェーンなどでは、消費量に合わせて計画的に生産することによる、廃棄野菜の減少でのエコの観点。グランパ農場が全国に広がり、更に多くの種類の野菜に発展すれば、美味しい野菜が無駄になることなく、またリーズナブルに味わえるようになる。

そう考えた関内新聞の口に涎が充満したことは、この際内緒にしておこうっと。

 

早ければ来年3月後半には収穫が開始され、取り置きではなくて、その日に収穫された関内レタスが一般の方でも購入できるようになる。慌てなくても購入できるだろうし、読者の皆さんも試しに購入してみてはいかがだろうか?

関内産のレタスってだけで、美味しいにきまってるジャン!

 
グランパ農場の場所

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