関内新聞

素通りするにはもったいない!歴史と魅力の詰まった場所、関帝廟

観光客で賑わう年末の中華街。

編集長から「中華街の4つの門の記事を書いてほしい」と依頼された私は、3つの門を順調に撮影し、最後の撮影場所「延平門」に向かい意気揚々と歩いていました。

 
ところが…
 

 
あれ…

嫌な予感…

 

うっ…

 

ということで、残念なことに延平門は来年3月まで工事中。4つの門の記事は春までおあずけです。中華街ツウの皆様、今なら珍しい青い門が見られます。^^

 
さて、気を取り直して次に向かったのは「横濱関帝廟」

何度か訪れたことはありましたが、まともに足を踏み入れるのは何年ぶりでしょうか。

中華街にはちょくちょく来るのに、関帝廟は素通りしがち…ということはありませんか?

実は私もそうで、お恥ずかしながらそもそも関帝廟が何なのかもよくわかっていませんでした…。

 
関帝廟に祭られている主神は「関聖帝君」で、三国志で有名な「関羽」のことです。関聖帝君は、この関羽を神格化した名前です。

日本の開国後、多くの中国人が「華僑」として訪れ外国人居留地での生活をはじめたこの街。1862年、1人の中国人が関羽の木像を抱いて、ささやかな祭りを開いたのが関帝廟のはじまりと言われています。武将として財産を運用するのに長けていた関羽。商売繁盛の神様として、また華僑たちの心の拠り所として、現在も厚く信仰されています。

艶やかな中華街らしい装飾が目を引く関帝廟の門。年末近い日曜日だったこともあり、この日もたくさんの観光客が記念撮影中でした。

この階段は誰でも上っていくことができますが、さらにその先に進んで参拝するには、お線香の購入が必要です。人が多く撮影が困難だったためやむなく断念した私は、奥に進まずうろうろすることに…。

門を入って振り返ると、ちょっと雰囲気のあるちょうちんの写真が撮れたり…。



よく見ると屋根の上には、ユニバーサルスタジオジャパンを思わせる地球儀?が乗っていたり…。

初めて中華街に来たとき、「横濱媽祖廟」と「横濱関帝廟」を間違えたあの日のことを思い出したり…(これ、私だけでしょうか。)

いろいろと新発見がありましたが「これ初めて見たような…」と思ったものがひとつ。門をくぐって左にある「金亭」です。こちらも人の多さに参ってしまい、全貌を上手に撮影できなかったのですが、六角柱のような形をしています。

道教では神仏に願掛けをする際に紙銭を燃やす習慣があるそうで、参拝に使った「金紙」を燃やす炉のようです。この中で燃やすことで、火災や大気汚染を防ぐそう。

調べてみると今年の10月に落成されたばかりということでした。

 
そしてこの「金亭」には気になる表記が…。

スタッフの方に訪ねてみると、中に祭ってある「関聖帝君」像に六角の角にあたる部分が向かないよう意図的に角度を調整している、という意味のようです。たしかにやや不自然な角度で建っていますので、ぜひご自身の目で直接確かめてみてください。

関帝廟では正月と春節(旧正月)に加えて、毎年旧暦の6月24日(2014年は7月20日だったようです)には「関帝誕」という、関聖帝君の誕生日を祝うお祭りが行われます。

神殿内での儀式の後、関羽像を乗せた神輿やパレードなど、中華街最大のお祭りのひとつで大変華やかなものだそう。春節含めいまだこういった、お祭りの日に中華街に訪れたことのない私…。次こそは、人込みを恐れずに中華街のイベントを楽しもうと心に決めました。

 
ところで関帝廟ではお守りを購入することもできます。関聖帝君の刺繍が迫力満点。私も思わずひとつ買い求めてみました。

こちらはひとつ800円の家内安全お守り。ほかに色違いで商売繁盛、合格祈願、交通安全など数種販売されています。

この袋も含めてなかなか見かけない“ならでは”なデザイン、横濱関帝廟みやげにおひとついかがですか?

 
華僑の心の拠り所「横濱関帝廟」。

しばらく足が遠のいていた方には、飲茶や手相占いとはまた違った中華街の空気を味わってみるのもいいものです。

 

施設詳細

横濱中華街 関帝廟
  • 住所:
    横浜市中区山下町140番地

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