関内新聞

【歴史探訪】-三塔物語に囲まれた、関東大震災の遺構を訪ねる―

遺構はこんなところにありました

横浜三塔は、横浜市の歴史的建造物である3つの塔、すなわちキング(神奈川県庁本館)クイーン(横浜税関)ジャック(開港記念会館)のことを指しています。

これら3つの塔を結んだ三角形の内側で何と、明治大正時代の横浜を偲ばせる歴史的遺構が2014年に見つかりました。いったいどのようなものなのでしょうか。

この遺構は、JR関内駅からみなと大通りを海の方へ歩いて10分、地下鉄みなとみらい線日本大通り駅から歩いてすぐのところ、本町通りの交差点を渡ったところにあります。

 
実際の遺構の写真はこれです。まさに、ビルの谷間にポツンと残ったようになっています。

アーチ型の枠を保った状態のレンガの壁が、見事に「皮一枚」で残ったようになっています。なぜ、このようなものだけ残ったのでしょうか。

元々その場所には、そば屋やレストランが入っていた建物がありました。2014年にその建物を解体しようとした際、壁の中からこの遺構が出てきたとのことです。

近くには説明文の書いてあるプレートがありました。文章を要約しますと…

 ― 以上プレート表記引用

として、そのまま現地に保存されることになりました。

Googleのストリートビューで、2009年撮影のものを見ることが出来ました。



たしかに、そば屋やレストランのような店舗が映っています。レストランはライブ・バーだったようです。筆者自身はそこを無意識で通過ばかりしてましたので、当時の様子はほとんど知りません。

当時の様子をご存知の方がいらっしゃるかどうか、SNSを通じて友人限定で問い合わせてみました。

すると、このような情報が集まってきました。

Googleストリートビューを使うと、火災して間もないころの映像もみつかりました。痛ましい映像でした。

このお店ですが、解体するという話になる前は、復活を願う「応援メッセージ」が掲げられていることもあったそうです。しかしながら残念なことに、この場所での店舗復活はかなわず、建物の解体工事が行われることになりました。

そして、現在のような遺構が見つかることになったようです。

遺構の写真を見てみると、遺構には鉄筋コンクリートによる補強が施され、簡単には倒壊しないようになっています。

この遺構は象の鼻パークからは、横浜税関(クイーンの塔)を右目に通り過ぎ、左に神奈川県庁の本館(キングの塔)を見過ごして、右前方に開港記念館(ジャックの塔)が見えたころに、そばを通ります。

大きい割には地味な印象の遺構なので見落としそうですが、明治の横浜の名残りを垣間見、関東大震災のすさまじさを想像することができます。

ただ、この遺構が見つかるにあたり、ここにあった店舗が火災に見舞われてしまうという不幸があったことを、心に留めておきたいと思います。

おわりに

明治大正時代の、歴史的価値のある震災遺構が見つかったことはいいことですが、火災の遺構を解体して見つかった経緯を知り、複雑な気持ちになりました。私たちも、常日頃の火の用心は怠らないようにしましょう。
関内・関外ともに、昔からの名残のある遺構や建物があると思います。これからも随時調べて、ご紹介させていただきます。

モバイルバージョンを終了