関内新聞

【重鎮】関内の文化を築き上げるハート&ソウルで盛り上がる!

さて、次はどうするか?

特別な日だから、普段よりも早めに食事が終わっていた。

 
関内の近くまで来たんだし、もう一軒飲んで行こうか。
 

そんな気分だった。

しっぽりとBarに行って、バーボンでも飲みたい気分だが、でもそれだけでは何か寂しい。

 
他に何かないか?
 

そうだ!関内といえば音楽がある。前に人に聞いたことがあった…。

関内は日本で一番音楽をやっている人が多い街だと

その真偽を確かめたことはないが、確かに関内には音楽を聴かせててくれるお店が多いと感じる。取材のために街を歩いていても、音楽を聴かせてくれそうなお店が、よく目についた。

そんなことを想いながら、心はもう決まっていた。

 
音楽を聴きながらバーボンが飲みたい。
 

確か駅前のセルテに、そんなお店があったはずだ。

 
ハート&ソウル

エレベーターの扉が11階で開いた瞬間から聴こえてきた音楽が、心をワクワクさせてくれる。

JR関内駅の目の前にあるセルテビルの11階に、こんなお店があるなんて信じられないだろうが、エレベーターの目の前にある店からは大音量で音楽がこぼれてくる。

 
よし今日はRockだ!Soulだ!Popsだ!

ハート&ソウルは、60年代~80年代の洋楽を中心に、バンドの生演奏の音楽が聴ける。それに一日に何度ステージを聞いてもチャージ料が一定だ。

気分が乗れば、心行くまで音楽を聴いていられる、素晴らしいシステム。

そうだったよね?店長の戸巻さん!

 
大音量で流れてくる音楽のカーテンをくぐるかのように入口を入ると、元気な声で出迎えてくれたのは、この店の店長、戸巻さんだった。

ちょうどステージが始まったばかりだと言われ、これまたタイミングが良いと店の奥に進めさせてもらう。

エントランスの雰囲気も最高。

アメリカンテーストのお店のロゴをあしらったネオンや、壁に掛けられたアートが、これから最高な夜が始まることを教えてくれている。

 
今日は音楽に身を任せてやろう
 

そう覚悟を決めてエントランスを抜けると、綺麗な声を聴かせてくれる女性シンガーが歌っている。



ハート&ソウルは、毎日違うヴォーカルがゲストとして出演し、ファミリーバンドの演奏でステージを行う。そんなシステムだ。

そしてこの日のゲストヴォーカルは、藤川 なお美さん。

細い身体からは信じられない声量で、素敵な歌を聴かせてくれている。

 
アコースティックギターソロ

しばらくの間、バーボンと音楽を楽しんでいたところ、どうやら今回のステージも終わりになるようだった。

テーブルの上に置かれたお店のパンフレットで確認すると、平日は約40分のステージが6回もあるようだ。しかも金曜日と土曜日にあっては、朝の4時まで営業で、7回ステージがあるという。

 
なんだ、まだまだ楽しめるぞ!
 

今回のステージが終わりになると聞き、少し落胆しそうな気持だったが、そのことを知って安堵のため息がこぼれた。

アコースティックのギターは、お客のリクエストに応え、さっきからビートルズのナンバーをメドレーで演奏。弾き語りをしている。

ステージが終わり、店内の少し照明が明るくなったところで、2杯目のバーボンを口にしていると、先ほどまでギターを弾いていた男性が声をかけてくれる。

どうやらこの人は、このお店のオーナーのようだった。

 
オーナーの原 正行さん
 

せっかくこんなに雰囲気の良いお店だ。気さくにオーナーが話しかけてくれたんだから、少し話を聞かせてもらおう。

聞きたい曲とか合ったら遠慮なくリクエストしてね。リクエストはテーブルの上にあるカードに書いて、スタッフに渡してくれれば良いよ。

 
そんなことを言っても、無数にある洋楽の中から、演奏したことが無い曲が入ったらどうするんだろう…。余計な心配かも知れなかったが、そんなことが脳裏をよぎった。

できる限りリクエストには応じられるようにするからさっ。まぁ、その日のバンドのメンバーによってはできないこともあるけど、ステージの合間に音源聞いてみて考えるから。

そういって、原オーナーが向けた視線の先に目をやると、そこにステージを終えたバンドメンバーが、休憩をしながら譜面を確認し、次のステージの曲順を話し合っているようだった。

それにしても凄いな。

仮に知っている曲だったとしても、事前の音合わせは必要ないのだろうか?

弾き慣れた曲ならまだしも、ご無沙汰している曲だったらどうするんだ…。

 
まぁ、そのあたりがプロのミュージャンの凄さなんだろう。

そんなこと思っていると、

聴きたい曲ある?

と、原オーナーが更に問いかけてきた。

 
今日はちょっと特別なんだ…。



特別な日というのは、自分の誕生日ということだった。

早めに仕事を切り上げ、予約を取って食事に行った。そして、更に気分よく飲んでいたいから、この店に来たのであった。

ちょっとテンションを上げていきたかった。

 
20th Century Boy なんてできるかな?
 

その一言を聞くと、オーナーはステージに上がって行く。

 

 
しばらく会話に夢中になり、またステージの音楽に時折耳を向けていると、1曲目が終わろうとしてた。

そして、次の曲に差し掛かる時、さっきエントランスで見たあの人がステージにあがり、ギターを担ぎ始めた。

 
ジャ♪ジャ♪ジャ~ン♪♪ one,ツー,スリー,フォッ!

聞き覚えのあるイントロ。数年前に一世風靡したあの映画の影響もあり、このイントロのフレーズは多くの人が知っているだろう。

そう。さっき自分がリクエストした20th Century Boyの演奏が始まり、そのリードギター&ヴォーカルには、これまでスタッフとして働いていた戸巻店長が軽快にギターを弾き、かっこいいサウンドを刻んでくれた。

さすが店長だ。

 

いい感じでテンションが上がってきた。

1年に1度の特別な日なんだ。盛り上がっていきたいよな。

それにはこの曲は最高だった。

 
Happy Birthday to you!

盛り上がる曲が終わった後に、更なるサプライズに襲われる。特別な日が誕生日だと知ったお店から、粋な計らい。それは、バースデイソングとシャンパンのプレゼントだった。

 
乾杯!

やってくれるじゃないか。

誕生日の乾杯ドリンクだけなら、他の飲食店でもサービスとしてあるだろう。

ただここが一味違うのは、バンドの生演奏で、プロのミュージシャンがバースデイソングを歌ってくれる。

そして、その演奏の途中にシャンパンのコルクを音を立てて抜く。

 
ポン!!
 

やられた…。

 

テンションが上がるお気に入りの曲に、バースデイプレゼント。

食事の時に飲んだワインに加え、ここに来てからのバーボンと、そしてシャンパン。

すっかり上機嫌だ。



更に続いたステージには、この日のゲストボーカルの藤川なお美さんが、素敵な曲を歌い上げる。

すっかり酔いが回ったようだ。

ただ、いい感じの酔いだった。

音楽が胸に響く。心に届く。
そして目を閉じると、大音量のバンドサウンドが揺らした空気に包まれていることを感じる。

いいぞ

本当に特別な一日になった。

最高の音楽はもちろん、嬉しいサプライズもいただいた。

今夜は最高に気持ちいい。

そして、思い出深い誕生日の夜になった。

 
ハート&ソウルは、97年6月9日に関内の地でオープン。

少しずつ店を大きくしながら関内の中で何度か移転し、今はセルテ11階に130人は入れるだろう大きな店になっている。

関内の文化ともいえる音楽。ライブを聞きながら食事やお酒を楽しめる、Liveレストラン&バーという関内文化をけん引するお店が、ここハート&ソウルなのだろう。

特別な夜にここに来てよかった。

 
次は、踊るか…。

 

ショップデータ

ハート&ソウル
  • 横浜市中区真砂町3-33
    CERTE11階
  • TEL:045-664-5569
  • WEB:www.heartandsoul-live.com
  • 営業時間:
    【月~木】19:00~翌 3:00
    【金・土】19:00~翌 4:00
    【日・祝】18:00~24:00
  • 定休日:無休

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