関内新聞

【北雪】日本酒の会では美味しいお酒が存分に味わえるジャン!

日本酒好きの関内新聞はとある噂を聞きつけ、潜入取材を行うことを決めた。

それは、関内某所で月に一度開催されているという日本酒の会。会の名前を聞いただけでも、生唾を飲み込んでしまいそうな関内新聞は、前日より肝臓の調子を整え、ウコンを飲んで潜入した。

取材の準備と会場の撮影のため、誰よりも先についた関内新聞は、写真撮影の許可を得ると撮影しやすい席を選び陣取りカメラの準備をする。

取材道具を準備しているテーブルには、数種類のグラスが置かれていて、これから始まる日本酒の会への期待を更に高めてくれる。

 
お猪口にグラス、そしてチェイサー用のグラス

カメラの準備が終わると、そこに目に入ってきたのが本日の日本酒ラインナップ。式次第に書かれている日本酒の数を見て更にテンションが上がる!

な!なんと!!

9種類の日本酒が楽しめるのか!?

日本酒の会ではたくさんの種類のお酒を飲み比べることができる。その噂は本当だった…。日本酒好きの関内新聞が既に興奮していると、日本酒のイメージとは程遠い、美しい女性が話し始めた。どうやらこの方が、今日の日本酒の会にお酒を出品している酒蔵の人。

 
北雪酒造 大西 美香 さん

新潟県は佐渡から今日の日本酒の会に出品した酒蔵は「北雪」と書き「ほくせつ」と読む。明治5年に創業した、暖流と寒流が行き交わす新潟県沖のトキで有名な、あの「佐渡島」の南方に拠点を置く酒蔵だ。佐渡島にはかつて、20以上もの酒蔵があったが、その数は4つまで減少。長い歴史の中で、こだわりを持っていい酒を造り生き残ってきた酒蔵の一つが、この「北雪」。

期待が更に高まるのは、関内新聞だけではなかったはずだ。

この日の為にか準備されたフリップを使い、丁寧に北雪酒造の説明をする大西 美香さん。

日本酒を飲むことだけを目当てに…、いやウンチクを聞くことを目的に来たわけじゃない関内新聞を含めた参加者が、早く酒を飲ませろと考えていることを知ってか知らずか、会の開始を宣言する乾杯の前に熱く語る。

 

ふぅ~

早く飲ませて…。

誰かがそんなため息を吐いたころ、美香さんが話し始めた北雪酒造の凄さに、他の誰かが生唾を飲む。

 

ゴクっ!

 

ロバート・デ・ニーロ氏が経営する『NOBU』とダブルネームで

参加者の誰かが生唾を飲んだ時、美香さんは勝ち誇った顔をして話してくれた。

なんとこの北雪酒造は、20年近く前に誰もが知るハリウッドスターのロバート・デ・ニーロ氏と、日本料理の技術と西洋の要素を取り入れた料理で世界中で認められている松久 信幸氏が共同経営する『NOBU』でダブルネームとして日本酒を提供している唯一の酒蔵だという。

昨今、日本酒は「Japanese SAKE」としてアメリカ人を始め、欧米人にも親しまれているが、間違いなく食通であろうハリウッドスターのロバート・デ・ニーロ氏にも認めらえる日本酒として、日本の酒文化を世界中に発信してくれている日本の誇りのような酒造こそ、この北雪なのかも知れない。

誰かが飲んだ生唾。その驚きは、その会場にいた誰しもが味わった感情だったであろう。

そして、いよいよ日本酒の会が始まる。

その合図となるのは当然「乾杯」。その酒に選ばれたのが、おそらく本日の日本酒の会に北雪酒造が満を持して持ち込んだ一本。

YK35雫酒 北雪

日本酒らしからぬ綺麗な青い瓶に詰められた山田錦100%の日本酒。芳醇な香りにすっきりと飲みやすく、普段日本酒に馴染みがない女性が飲んでも必ず「美味しい」と感じるだろうこの一本。
 

こんな酒を一本目に持ってくるなんて、

美香さんもなかなかやるな。

 
なんて関内新聞が感じている中、日本酒の会は一気にボルテージを上げ始めた。

この日、日本酒の会に参加した日本酒好きは、約20名。会場となった関内北口からすぐの居酒屋 文次郎には、席を埋め尽くさんばかりの日本酒好きの男女が一気に飲み始める。

ただここは単なる飲み会の席ではない。

そのうえ、ここに集まっているのは単なる日本酒好きの飲兵衛の集団ではなかった。

 
日本酒のウンチクを話す美香さん

北雪酒造の美香さんが難しい日本酒に関するウンチクを語り始めた頃、朝から何も口にしていない関内新聞は不謹慎にも、日本酒のアテが出てくるのを今か今かと待っていた。

しかしその期待とは裏腹に、美香さんのウンチクは続き、そして次々に北雪酒造自慢のお酒が運ばれてくる。

今日の日のために美香さんが準備したのは9種類ものお酒。それが出される順番と、料理が出てくるタイミングは綿密に打ち合わせされているのであろう。

その気持ちを確信に変えてくれたのが、乾杯に出されたYK35雫酒に続き運ばれてきた、純米大吟醸と2種類のにごり。純米大吟醸は乾杯の酒、YK35雫酒とは表情が変わり、風味豊かなお酒。香りを鼻で感じるというよりかは、のどで味わいを感じさせてくれる。そんな感じのする一本。

それに続けて出てきたのが、2種類のにごり。

純米大吟醸五百万石 遠心分離

吟醸 にごり

北雪酒造が多額の資金を投じて導入したというマシンで仕上げられた遠心分離。それに吟醸のにごりが出てくる。乾杯の酒からここまで4種類の日本酒が出てくるが、何とも言えず絶妙な順番。それにここまでつまみを一切出さない会の趣向にも意気込みを感じた。

ここまで出てきた日本酒は、その香りや風味、のど越し。それら全てが料理と合わせるだけの日本酒ではなく、そのものがロバート・デ・ニーロ氏のように映画、いや食事の主役になるべき日本酒。

ただ食事の脇役としてのお酒ではなく、どんな料理ですら脇役に変えてしまってもおかしくない、主役級の日本酒のラインナップ。

それらを味わい、程よく「酔い」が回り始めた参加者の多くに料理が運ばれてくる。

 
う巻き、クリームチーズと鮪の酒盗、鯖の味噌煮、朝どれ鮮魚の刺身

この日の日本酒の会の会場となった居酒屋からは、自慢のメニューが参加者に運ばれる。

どの一品も日本酒のアテには申し分のない品々。

その一つ一つに箸をつけながら、北雪酒造自慢の酒を楽しんでいると、今度は料理の味を殺さない、いや寧ろ料理の味を更に引き立てる、北雪酒造自慢の更なる酒を美香さんが参加者にお酌して回る。

こんなうまい酒に、日本酒に合う最高の料理。

更には日本酒の頭で理解し口の中で考えさせてくれる素晴らしいウンチクを話してくれる綺麗な女性がお酌してくれた日には、酒が進まないはずがない。

純米酒、本醸造、鬼ころし…。

どれも料理の味を引き立ててくれ、そして冷でも味わえ、燗も楽しめる。

好みに合わせ、料理に合わせ…。

そんな飲み方を教えてくれる美香さん。

うまい酒に、うまい料理。

それだけではない日本酒の会を楽しくさせてくれるのは、日本酒の知識が豊富で、日本酒のことをかなり愛している、この美香さんの素晴らしいプレゼンテーションと飲兵衛を扱う技術の上手さからだったのではないか。

そんな感情に浸っていると、更なる衝撃を美香さんが運んでくる。


北雪梅酒

お腹にも満足感がではじめ、そして酔いも程々に回り始めたこのタイミングで、美香さんが最後に差し出してくれたのが、北雪自慢の梅酒。

焼酎でもなくリキュールでもなく、日本酒で作られた梅酒は、ベタベタ感を一切感じない梅酒。

それに、梅の風味が豊か

男性人にはちょっとした口直し。女性陣には食後のデザート酒とでも言った感じか…。このタイミングで、このうまい梅酒を持ってくる美香さん。

誰しもがこの女性を日本酒の魔術師

舞い降りた日本酒の天使

そう感じたはずだった。

その天使が関内で開催された日本酒の会に出品してくれたのは全部で10本。実に一斗(一升瓶10本)にも及ぶ北雪酒造自慢のラインナップ。

もう誰しもが満足したに違いない。そういう関内新聞も、日本酒の会が終わるころには、美香さんの魅力…、いや北雪酒造の日本酒の魅力に憑りつかれ、そして酔いもかなり回りいい感じになっていた。

日本の伝統である日本酒。日本に生まれ、日本人として育ち。そして、この異国情緒漂う横浜関内をこよなく愛する日本人として、関内のこの地でこれほどまでの日本酒が一度に味わえる日本酒の会。この日は新潟は佐渡島から北雪酒造の大西 美香さんが一斗もの酒を持ち、その良さ素晴らしさを伝えてくれたが、この日本酒の会は月に一度開催されているとのこと。

今や、日本酒文化は日本人だけのものではない。北雪酒造がダブルネームで『NOBU』で提供し、ハリウッドスターを始め、欧米人にも好まれるようになったJapanese SAKE。

その良さを私たちは本当に語れるのだろうか?

 

世界中で親しまれ、愛されるようになった日本の誇り。その日本酒の奥深さを、いろいろと感じさせてくれる素晴らしい会だったと、取材を通じて関内新聞は痛感しました。そして、その感動は取材をしていた関内新聞だけではなく、会に参加していた全ての人に共通の感情。

そうであったことは、美香さんを囲んで撮ったこの集合写真の笑顔を見れば一発でわかるであろう。

関内の居酒屋 文次郎を会場にして、月に一度開催される日本酒の会。美味しいお酒を頭から理解して味わえるうえ、会費がたったの3,500円でアテまで味わうことができる。

こんな素晴らしい日本酒の会が関内で開催されていることに驚きを感じる取材となった。次回以降の日本酒の会には取材ではなく、一人の日本酒愛好家として参加してみたいものだ。

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