日本新聞協会会員新聞104社が発行している、1日あたりの発行部数はなんと約4,700万部にも上ります。
そんな新聞の博物館なるものがここ関内にあると聞き、日本大通りに面した横浜情報文化センターにやってきました。
市の歴史的建造物を活用したというビルの趣ある階段を上った先には、これまで知らなかった新聞の世界が広がっていました。
日刊新聞の発祥の地である横浜で、新聞の歴史と役割を伝える博物館を
「新聞の博物館をつくるなら、日刊新聞発祥の地である横浜に、ということで2000年にこの施設が誕生しました。今では年間約6万人の方にご来場いただいています」と話すのは、日本新聞協会博物館事業部の鈴木良和さん。
日刊新聞が横浜で誕生したのは、1871年1月28日(旧暦では明治3年12月8日)。毎日発行する日刊だったことに加え、洋紙1枚に刷られている近代的な新聞の第1号であったことから、新聞誕生の地は横浜だといわれているそうです。
「子どもの頃から新聞に触れて、その役割や特性を知ることで、新聞そのものに興味を持ってほしい、という思いがこの施設には込められています。新聞の歴史やしくみを学べる展示に加え、自分だけの新聞を作ることができる新聞製作工房など、子どもはもちろん大人でも楽しめるコンテンツが盛りだくさんですよ」と鈴木さん。
歴史や文化の展示にとどまらず、体験できるコンテンツまで、気になるものが満載!
ということで、さっそく館内を見学することに。
見ごたえ抜群!新聞の“これまで”と“いま”が見える展示
入口のある2階から1階ロビーを見下ろすと、2階まで届く高さの巨大な機械を発見。この機械、なんと実際に使用されていた新聞の印刷機で、博物館の開館にあたり静岡から運んできたんだとか。1時間で最高15万部もの新聞を刷ることができるなんて、驚きです。
ひと驚きしたところで、まずは常設展示へ。
3階は、江戸末期から現代までの新聞の歩みをたどる「歴史ゾーン」。当時の貴重な資料や復元資料などから、時代とともに変化した新聞の役割を知ることができます。
「昔の新聞は現在の新聞とは、記事の言葉遣いや紙面の体裁が異なっています」と鈴木さん。たしかに、難しそうな資料がたくさん並んでいます。
けれど、展示を見ているとその背景にある時代の雰囲気が伝わってくるから不思議。新聞はまさに“時代を映す鏡”だと感じさせてくれます。
続いて5階の「現代ゾーン」。新聞が読者に届くまでのしくみや、そこで働く人たちの役割などがわかりやすくまとめられています。
自分だけの新聞づくりを体験!
記者の持ち物紹介やジェット取材機の展示、新聞配達の体験ゲームなど、見ている人をワクワクさせる立体的な展示です。
常設展示の他、2階の企画展示室では随時企画展を実施。この日は読売新聞横浜支局100周年を記念した「伝えた神奈川の100年」という展示を開催していました。
読売新聞の紙面や見出し、写真などを通じて神奈川の100年を振り返ることができます。10月19日まで開催しているのでお見逃しなく!
世界にたった1つの自分だけの新聞作り。全国の新聞が読める「新聞ライブラリー」
この日は夏休み中の子どもが参加していました。パソコンが初めてでも、工房のスタッフがサポートしてくれるので安心です。
4階には、日本新聞協会会員新聞社が発行する日刊新聞など約170紙を無料で読むことができる「新聞ライブラリー」も併設されています。
過去の新聞記事のデータベースも利用できて、新聞に関する書籍や雑誌も閲覧できちゃう至れり尽くせりの場所です。昼休みの時間帯には近隣オフィスで働くビジネスパーソンも多く訪れるのだとか。
新聞の魅力を存分に堪能した後は、同じビル内にあるカフェ「CAFÉ de la PRESS(カフェ ドゥ ラ プレス→“記者たちのカフェ”の意味)」で、新聞片手にお茶をするのもおすすめです。いつも見ていた新聞が、これまでとは違ったものに感じられるかもしれません。
今年の夏休みは「日本新聞博物館」で、新聞の魅力に触れてみませんか?
イベント情報
- 2014年8月開催
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- 10月19日まで
「伝えた神奈川の100年―読売新聞横浜支局展」2階企画展示室にて
- 10月19日まで
施設データ
- 日本新聞博物館
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- 横浜市中区日本大通11番地
横浜情報文化センター内 - TEL:045-661-2040
- 入館料:
一般510円(65歳以上は410円)、大学生410円、高校生300円、中学生以下は無料
※リピーターは前回の入場券提示で100円引き、土日祝日はファミリー割引も有り - 開館時間:
10:00~17:00(最終入館は16:30まで) - 休館日:
毎週月曜日(該当日が祝日に当たる場合は次の平日)・年末年始
- 横浜市中区日本大通11番地