この水槽のような黒いシートのプールは、苗を育てる「育苗」のスペース。ここで苗を2週間ほど育て、準備をするのだそう。
育った苗は、白い円盤の溝に設置された、この白い筒のようなものにさして植えられる。
うっ…、植えられる(汗
まったく理解ができない状態に陥ってしまった関内新聞に、農場長は優しく説明を続けてくれました。この白い筒のようなものに苗を入れ、円盤の中心に入り、そこから円盤の溝に一つずつ植えていくということ。
この円盤は大きな水槽のようになっていて、円盤の底には水が張られていました。
ここまでお話を伺ったところで、ようやくこの施設が本当に「農場」であると理解できるようになった関内新聞は、引き続き独占的に農場長を捕まえ、更に詳しい話を伺いました。
この農場は、グランパ農場と言い、株式会社グランパが横浜市から業務委託を受けて期間限定で運営。約600平方メートル(野球の内野ぐらい)の広さに、農場長を含め、7名の人員でレタス栽培を行うという。
ドームの建設費は約3,500万円
建設期間は約2~3週間。
それに加え、横浜農場の場合は敷地の基礎工事が必要だったため、建設費はプラスアルファ。建設期間は、プラス2週間ほど要した模様。年明け1月7日から実際にレタス栽培を始め、約3ヶ月間で収穫を開始する予定になっている。
株式会社グランパでは、山梨県北斗市をはじめ、既に全国7ヶ所に農場を運営していて、この横浜農場で8ヶ所目になるという。
ロスが少なく効率的な生産と輸送費軽減が可能になる。
通常の土壌の農場であれば、一度に苗を植え、一度に収穫するのが一般的。また日当たりなどを考慮し、一株ずつ一定の間隔を置き育てる必要があり、無駄なスペースが生まれてしまう。
その問題を大きく改善したのがグランパ農場。
収穫時期をずらし無駄を減らすために、苗は白い円盤の中心から時期をずらしながら植えていく。そして成長とともに自動的に回転しながら円盤の外周へとレタスが送られていく。
苗の間隔は成長に合わせて次第に拡がる
もともとの円形の理を利用し、苗の成長に合わせて間隔が広がっていくようになっているのが、グランパ農場の大きな特長。円盤の中から苗を植え、収穫は円盤の外周で行う。
そこに至るまで約3ヶ月。時期をずらしながら苗を植えることによって、毎日収穫が可能となり、横浜農場のように都市部に開設できる点や、野球場の内野程度の土地の広さに約1ヶ月程度で設営できることなどから、地産池消スタイルが実現できるメリットがある。
農場長は更に、寒冷地などの地方で運営することにより、農家の収入の安定化を目指したり、レストランなどが運送費を抑え、日々野菜の安定供給を可能にするメリットがあるなど、グランパ農場の可能性はとてつもなく大きいと話してくれました。