2015年11月11日(水)

横浜の水源・道志村を考える~飲食店経営者が中心となった横浜会

アバター画像 森本 康司

何気なく使っている暮らしに必須の水。蛇口をひねれば出てくる水はどこから来ているのか?飲食店経営者が中心となり活動している横浜会は、横浜の水の水源となる道志村を考える活動を行っている。初めて開催された交流イベントと合わせて話を伺ってきました。

皆さんは道志村という村をご存知でしょうか?

山梨県の南東にある道志村は、実は128年も前から横浜市の水源地であり、現在においても私たちの暮らしに欠かすことのできない命の水を供給してくれている場所です。

そんな水源の村「道志村」を考えようと活動する、横浜会太田久士さん(横浜ビール社長)とメンバーの皆さんにお話を伺いました。

横浜会

-そもそも横浜会とは?

横浜の飲食店経営者が中心となった会。特にメンバーが何人いて、会則があって活動しているわけではなく、同じ考えを持つメンバーが自然と集まってきています。

-これまでの活動内容とは?

参画するメンバーが、それぞれのお店で地元食材を使ったり、または地元食材を使ったイベントを年に1~2回ほど開催して、もう4年間ぐらい活動してきました。

-何というイベント名か?

それは『神奈川地ビール&地元フード祭』と言うタイトルで、東日本大震災の年からスタートしました。地元食材を地元で消費しようという趣旨で始めました。そこに神奈川の飲食店が集まり、地元食材を使って地元食材を伝えるというイベントですね。

次回は11月23日に開催する予定です。

-横浜会には、どのぐらいのメンバーがいるのでしょうか?

(~しっかりと会則を決めてメンバーを募っているわけではないので、)何店(人)ぐらいいるのかきっちりと把握していないけど、15店ぐらいの飲食店が関わっていると思います。

横浜会として道志村に何かできないか…

横浜ビール太田社長

地元食材を地元で消費するという活動をしている横浜会が次に取り組むのが、命の源である水を考え道志村の活性化。なぜそれほどまでに思い入れがあるのだろうか。

引き続き太田さんにお話を伺います。

-道志村の水を考えようと思った経緯は?

もともと横浜ビール(太田さんが代表を務める会社)で作るビールに、道志村のお水を使っていました。以前は道志という名を付けて販売してこともあったほどです。

今回の活動を始めたのにあたって、また改めて道志村の水をタンクに入れて仕込んではいます。

-これまでに行った具体的な道志村に関する活動は?

今年の9月、横浜会のメンバーで道志村を訪れ、皆でわさびを植えてきました。まだ植えたばかりだから、直ぐに食べられるわけではないですが、その頃になったら横浜会のメンバーのお店で使っていきたいと思っています。

横浜会の会議の様子

道志村Night~道志村と横浜の人の集いの場

そんな地元食材を地元で消費しようとイベント開催などを行う横浜会が、今度は道志村の水を考えるためにイベントを10月23日に開催。横浜会メンバーでわさびを植えに行った道志村から関係者を招き、道志村の水を使う地元横浜の人が交流しました。

イベント案内文に書かれた太田さんの言葉に、『水道を捻れば水が出るという当たり前のことが、当たり前でないと思い知らされたのが東日本大震災だった。(水源である)道志村で暮らす人々の営みを知り、「水を考えることは命を考えること。」当たり前から脱却し水について今一度考えたい。』とありました。

道志村産食材を使った料理を食しながら、道志村について知る。多くの人が集まり盛大なイベントになった模様です。


イベントには大田昌博前道志村村長も招待

イベントには大田昌博前道志村村長も招待

イワナとヤマメの一本焼きも提供

イワナとヤマメの一本焼きも提供

道志村産食材を使ったお料理

道志村産食材を使ったお料理

多くの人が集まった道志村Night

多くの人が集まった道志村Night


伝える先の相手に近い場所にいる飲食店だから

『食材を通じて水の大切さを伝える相手に一番近いのが飲食店。』太田さんは力を込めて語ってくれました。道志村の食材を使ったり、横浜会で植えた道志村のわさびを使った料理を提供していくことにより、伝える相手である消費者に発信していく力は、飲食店だからこそ。

食を通じて道志村の活性化につながり、道志村や横浜の多くの人が関わるようになる。そしてそれがきっかけで、命の水を育む道志村の森の健全化が進んでいくことが目的。

いつかは森の健全化の過程で出る間伐材を使った物が生まれていくようになれば…。

短い取材時間の中でも、太田さんを始め横浜会のメンバーの皆さんの熱い気持ちに触れました。横浜会の道志村を考える活動は、今後も関内新聞でも取り上げ記事にしていきたいと思っています。

横浜会の皆さん

この記事の著者

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森本 康司編集長

関西に生まれ、学生時代をアメリカで過ごす。帰国から5年した頃に流れ着いたこの街が好きになり、2013年12月に関内新聞を立ち上げる。美味しいものに目が無く、あらゆる種類のお酒を飲むがバーボンが特に好き。近頃は、見様見真似でシェーカーを振ったり、料理をしたりすることが多くなった。お酒の空瓶で作るBottle Ware Artにハマっている。

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