
よーし。タンメンだ。
店に入ったら、迷うことなくタンメンをオーダーしてやる。
だから、胃袋の虫たちよ。
いい加減に落ち着かないか。

タンメンだ!
いかん、焦り過ぎたか…。
いや、構わん。そうでもしないと、この胃袋はおさまってくれないだろう。

カンカン
カシャン、カシャン…。

そうだ。タンメンといえば、中華鍋だ。
いい感じに熱しられた鍋の油から煙が上がり始めている。
これは期待できる。

さて、どこに座るか。
少し小ぶりな店だが、木のカウンターと壁の白を照らす柔らかい白熱灯の照明が、あまり狭さを感じさせない。
どことなく昭和な感じもするが、どことなくレトロな調べが、タンメン屋らしからぬ落ち着く綺麗な造りでいい。

奥のテーブル席にするか。
いや、ダメだ。
ココからだと、さっきからカンカン、カシャンカシャンと軽快なリズムを鳴らしている、中華鍋の様子が見えないじゃないか。








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