
機械のような細かく丁寧な動きによって、2種類の液体はグラスを無駄に汚すこともなく、今こうして二層に別れて静寂に包まれる。

当然、この静寂を動へと変えるのも、またマスターの美しい動き。
二層に別れたレモン・ジュースとガムシロップを、綺麗な手つきで持ったマドラーで掻き混ぜる。

二層に別れていたはずの2種類の液体は、しつこいほどまでにしっかりと混ぜられ、一つの液体…、いやレモネードとして生まれ変わる。しっかりとステアされ、しっかりと一体化させることが、この次に注がれる3種類目の液体を、美しく映し出すためには必要になる。
ふふっ…

そうだったな…。
そう覚えているのも、最初に店に来た時に、彼女が同じお酒をオーダーし、それを不思議そうに眺めていたら、マスターが教えてくれたんだった。

今度はゆっくりとした手つきで、慎重すぎるほど慎重に、

静かに赤ワインをレモネードの上にフロートさせる。








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