2019年2月12日(火)

呑兵衛が日曜の昼から集う秘密の酒場 ― 週イチ限定「八海の台所(日曜のPLUS)」

アバター画像 岸野 ちほ

大通り公園沿いに、日曜だけ別システムで営業しているお店があるのをご存じですか?1時間1,500円の「時間定額制」という珍しいシステムで、お金のことを気にせずに飲んで食べて楽しめると密かに話題のお店をご紹介します!

日曜限定の料金システムで営業するお店が大通り公園沿いにあるらしい!?

JR関内駅南口から歩いてすぐの大通り公園沿いに、「日曜限定企画でオープンしている居酒屋がある」という情報を聞きつけてやって現場へとやってきました。

庁舎やオフィスが多く、どちらかというと平日夜が賑わう関内。

日曜限定企画の居酒屋なんて、よっぽどひねくれた人がやっているのでしょうか…「日曜だけ」ということは、隠れ家のような秘密基地のような入口とか…まるでお店っぽくない雰囲気なのかしら…とか、いろいろな想像を膨らませながらついに現場へと到着したのですが…

ん?ここって前に小紙で紹介済みのcafe/dining PLUSでは!?

八海の台所の外観

でもよく見ると、なんだか看板の様子が違いますね…

「日曜のPLUS」に加えて「八海の台所」と書いてありますよ。

八海の台所の看板

この感じ、日曜限定のお店というのはたしかな情報なのかも!?

おそるおそるモグモグ隊とともに足を踏み入れてみることに。

最大の特長は、1時間1,500円の時間定額制

訪れたのはまだ日も暮れない午後3時でしたが、すでにお客様がちらほら。

八海の台所のカウンター席

どうやら中はcafe/dining PLUSと同じです。

八海の台所の店内

しかし!普段のcafe/dining PLUSとは決定的に異なる点を発見!

答えは、席に置いてあったこちらの案内に書いてありました。

八海の台所のシステム1八海の台所のシステム2

  • ・時間定額制で1時間につき1,500円(2時間経過後からは1時間につき1,000円)
  • ・お料理は注文制ではなく、その日のメニューが順に運ばれてくる
  • ・お酒はラインナップの中から自由に選べる(ただしビールは1時間につき1人1本まで)

そうなんです、この「八海の台所」最大の特徴は「時間定額制」であること。

普通のお店のように、金額が書いてあるメニューを見ながら注文するスタイルではないのです。

「日曜だけ企画を変えて、1時間1,500円っていうこのシステムでやらせてもらってます。この企画は、2018年の6月からになりますね。あ、これ来店時間です。時間の管理はお客さんにお任せしてますのでよろしくね」

八海の台所の時間表示

そう答えてくれたのは、お客さんから“おとーちゃん”と呼ばれているマスター。

とーっても気さくな方なのですが、なぜか顔出しはNG。う~ん、残念ですねえ。

「時間定額制」なのに、お料理こんなに出てくるの!?

カウンターの前のモニターには、この日のお料理のメニューがズラリ。

なるほど、これらのメニューが運ばれてくるわけですね。

八海の台所のモニター

「毎週料理のテーマを決めて、それに合わせたメニューを“おかーちゃん”と一緒に考えているんですよ」

この日のテーマは「和」。

…ですが、メニューは思いっきり韓国料理なのはどうしてですか?

「日韓関係が最近あんまりよくないですからね~、いろいろ願いをこめて。」

harmonyの「和」ということですか。意外と深いテーマです。

「このテーマがですねえ、毎週考えるの結構大変でさあ、あーだこーだうんぬんかんぬん…」

……。時間定額制なので、おとーちゃんの苦労話は話半分、さっさと乾杯させていただきます、すみませーん!

八海の台所で乾杯

ビールは「1時間につき1人1本まで」ですが、ルール内であれば融通が利きます。

たとえば3人グループで2時間いた場合は、時間内であれば6本まで飲んでOKなわけです。最初の30分で6本飲み切るもよし。追加したい場合は1本250円で注文可能です。

そして、お待ちかねのお料理も登場です!

実際は、おとーちゃんが料理の減り具合を見計らってタイミングよく運んできてくださったのですが、「時間定額制なのにこれだけの量ですよ」というのをお伝えしたく、この日のラインナップを一挙にご紹介しちゃいます。(※すべてのお料理をいただくには、2時間は必要です。)

手始めにナムルとキムチ。そしてレタスとワカメのサラダ。とりあえず一杯、のビールにぴったりの前菜です。もうこの時点で結構量があるんですが大丈夫でしょうか。

八海の台所のお料理1八海の台所のお料理2

続いてはチャプチェ。どんなお酒にも合わせやすい、呑兵衛の大好きな味。お酒も箸もどんどん進んじゃうやつです。

八海の台所のお料理3

チヂミももっちもち!お野菜もたっぷり、具沢山でうれしいです♪そろそろマッコリ飲みたくなってきますね。

八海の台所のお料理4

そして韓国料理の新定番、チーズダッカルビ。チーズがたっぷりと贅沢に使ってあって、とろっとろ!女子の大好きな味です、これは。

八海の台所のお料理5

えっと…、もうだいぶおなかいっぱいなんですが…

ここって時間定額制ですよね?お料理代は一律なんですよね??まだ出てくるの???

このタイミングでさらに大物登場!ガツンとキムチ鍋。もりもりです。

八海の台所のお料理6

これにこのセットついてきますからね…どれだけ食べさせる気なんですか!

八海の台所のお料理7

わかりますか?このもりもり具合。

八海の台所のお料理8

何度も言いますがここは「時間定額制」。定額料金内に入っていますからね、このお料理代は。

「実はね、これが隠れた人気商品なんだよね。」と最後に出てきたのがこちら。

〆の塩むすびは、つやつやの俵型。おかーちゃんの親戚の方が作っている千葉のお米なんだそう。

八海の台所のお料理9

まさに、呑兵衛のためのフルコース。お酒を楽しむのはもちろんのことながら、毎週変わるこの食事を求めてリピートするお客さんも多いのだそう。う~ん、納得のお味です♪

1時間1,500円システムに込めたおとーちゃんの想い

「うちはね、とにかくお金のことは気にせず、おなかいっぱい食べて飲んで、楽しんでいってほしいんですよ」

そう話す、太っ腹のおとーちゃん。

たしかに、出てきた料理の豊富さと美味しさからは“儲けのために”という空気は感じられません。どうしてここで、日曜限定で「時間定額制」という企画を始めるに至ったのでしょう。

「品川に“2時間3,500円”っていう、ここみたいなシステムのお店があるんですよ。僕は以前そこに毎晩のように通って、お金のこと気にせず楽しんで。それを、ここcafe/dining PLUSのオーナーとで話してたら『じゃあそれやろうよ』と言ってくれて。もともと定休日だった日曜だけ、この企画をやることになったんです」

おとーちゃんの良い思い出が、おとーちゃんの愛する関内で還元されているこのお店。

おとーちゃんのその願い通り、お客さんはそれぞれ思い思いの飲み方を楽しんでいるそうです。

たとえばこの日、お隣の席の男性は、お気に入りの日本酒をお持ち込み。(時間定額制なので、飲み物も食べ物も自由に持ち込んでいいんです!)

そしてそのお酒を一杯、おとーちゃんにも注いで一緒に乾杯です。

八海の台所は持ち込み自由

お金のことは気にすることなく、カウンター越しに楽しくしゃべって、ときどき厨房のおかーちゃんも一緒になって、気の向くままにわいわい。

おいしいご飯と楽しいおしゃべりを、午後2時から楽しめちゃう、週に1度だけ現れる憩いの場がそこにはありました。

自身が大の呑兵衛だからこそのホスピタリティ発見

余談にはなりますが…、マスターであるおとーちゃんの完璧主義な性格とサービス精神がとても表れているなあ、と思った点があるんです。

それは…
ホームページが、すっごくわかりやすい!!

こういった珍しい業態のお店に行くときって、事前に調べておきたいこと、いろいろありますよね。ひとりで行くときなんかは特に。

八海の台所は、ホームページがびっくりするくらい丁寧です。

システムも「よくある質問」も、お客さん目線でとてもわかりやすく書いてあるので、来店前に予習したい方にも安心。呑兵衛が気になるところ、わかってるな~と思わず唸ってしまう丁寧さです。

だって「よくある質問」で、「飲みたいお酒がないのですが」「以前食べたメニューがまた食べたいのですが」なんて項目、そうそうお目にかからないですよ(笑)。

八海の台所のホームページ

このホームページを設計した人は間違いなく呑兵衛。…うん、きっと、おとーちゃんに違いない(笑)。

呑兵衛による呑兵衛のための日曜限定「八海の台所」は、「さあ、明日からも仕事がんばるか~!」と思いたい憂鬱の日曜に明日への活力をもらえる、まさに“yummy”な酒場でした。

ショップデータ

八海の台所(日曜のPLUS)
  • 横浜市中区蓬莱町3-107-1
    モナーク関内大通り公園前1F
  • 営業時間:14:00~22:00(最終入店21:00)
  • 日曜日限定のシステム
  • Web:https://yummy-kitchen.love


この記事の著者

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岸野 ちほ副編集長

九州生まれ九州育ち。学生時代を横浜で過ごし、横浜を第二の故郷と呼んでいる。ハマスタでアルバイトをしていたことがきっかけでベイスターズファンに。ファン歴は10年。

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