パクパク隊:
これはね、金柑のモヒートだって。爽やかな金柑の清涼感がすっきりしてて、何だか懐かしい味がするというか、どこか知っているような味がする感じね。
パクパク隊:
カウンターの黒板にフレッシュフルーツの文字が見えたから、そこから選んで、後は相談して作ってもらったのよ。
判らなければ素直に相談できる。そんな嗜みまで身につけているとは、十分この街に馴染んだ証拠ではないか。嬉しい反面、良いカッコができない淋しさがこみあげてくるが、涙を飲んで凌いでみるか。
パクパク隊:
ペンネをカリッと揚げて香ばしいこのお通しも、ビールに合うんじゃない?
何とももっともらしいことを言ってくれるな。その成長に喜びを感じる程だ。
ふっ
あと一歩進んで、入口の近くにある冷蔵庫に珍しいビールが並んでいたことまで含んだコメントができれば、もう卒業証書を贈ってやる域だったのだが。
横浜らしいというのか、さり気ないこだわりというのか、様々な国のクラフトビールも準備してくれているのは、お洒落に飲みたい呑兵衛のハートを熱く鷲掴みにしている。こういった計らいのある店には、必ずと言って良いほど驚きで演出してくれる店。
それがこの街での経験値であり、それを証明してくれるのもこの街の良いところ。
などと、また浸りそうになっていると、今宵のサプライズチョイスの始まりのようだ。どのぐらい先に行っていたのかわからないが、金柑モヒートを頼んだだけではなかろうと思っていたのは正解か。
野菜のグリーンとプリプリの海老のピンクの絶妙な色のハーモニー。海老好きな趣向を知っているからこそできるチョイス。
優しい心配りで、それぞれに取り分けても十分過ぎるボリュームのサラダは、しっかりとアボカドをまとい流石と言わざるを得ない。
お次は、几帳面にモッツァレラチーズとトマトが並ぶカプレーゼ。大雑把にではなく、一組一組にしっかりと載せられているバジルの葉が、カプレーゼをしっかりとカプレーゼと認識させてくれる拘りの計らい。
パクパク隊:
バジル好きとシェアすると、気が付いたらバジルが足りない!なんてこともあるけど、こちらのお店は丁寧に数を揃えてくれてるわね。典型的なA気質な貴方でも、これには満足でしょ。
確かに…だ。
細かすぎる気質を注意されることも多いが、この店のこの計らいならもっと成長させてくれそうな気がする。