小宮山さん:
それはねバスマティといって、長いお米(長粒種)の一つだね。バスマティそのものに香りがあるんだ。もちろん、そのままのバスマティライスにカレーをかけて食べても美味しいよ。
バスマティ ライス(Basmati Rice)
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さすがにお腹がいっぱいになって来たんだな。
今度こそようやくカレーが口にできる。
香ばしく焼いたナンで食べるインドカレーも最高に好きだが、白いライスにかけるカレーも日本人としては嬉しい。もちろんカレーの種類に合わせて、ナンとバスマティライスと選んで食べるのも良いだろう。
ピリッと辛いとアイツが言っていた「カラヒ マトン」からいってみるか。香りがあるバスマティライスに合わせると、ピリッと辛いスパイスの風味に、粘り気の少ない軽い食感が最高だ。
や、柔らかい!
このマトンは、なんと柔らかいんだ。マトン特有の臭みもないし、しっかりとしたスパイスの風味が鼻の奥で香ってくる。確かにピリッと辛いが、カレーにはこのぐらいうっすら額に汗が滲む辛さがあった方が良いに決まっている。
小宮山さん:
お料理に使うマトンやチキンなどは、全てハラール(halal)のお肉を使っています。ムスリムの人が食べ物を選ぶときには、ハラールかそうでないかを特に気にされます。
ハラールの 食材…?
確かにイスラム教の人は、宗教上の理由で食べる物を非常に気することが知っているが、“ハラール食材”という表現が理解できない。
小宮山さん:
イスラム教徒が豚肉を食べないというのはご存知ですよね?
ハラールというのは、その食べ物や原料、それに作られた過程によって決まるのです。ムスリムの人が豚肉を食べないというのは、それが不浄だと考えているから。養豚所に行ったことありますか?養豚所で豚を見ると、自分自身の排泄物の上で体をゴロゴロこすりつけたりしますよね?それを不浄とムスリムの人たちは考えるから、豚肉は食べないのです。
そしてそれだけではありません。食肉として食べる肉は、全て血抜きを行い加工処理されたものでないといけません。その上、ちゃんとイスラムの教えに従いお祈りを行って、初めてハラール食材と言えるのです。先ほど召し上がっていただいたカレーを料理するコックは、二人ともムスリムですし、ハラールを気にするムスリムの人にも安心して食べていただくことができます。
横浜エリアには、まだまだハラール食材を使ったレストランが少ないのですよね。そんなこともあって、多くの外国人の方にご来店いただいています。日本に住んでいる外国人の方だけでなく、日本にビジネスで来た方にハラール料理を安心して食べてもらいたいという日本企業の方が接待でお連れになったり、観光で横浜を訪れ近くのホテルに宿泊されている方がお見えになったり、全体のお客様の3割ぐらいが外国の方ですね。