明太パスタには無くてはならない刻み海苔が、パスタ麺の真上に掛けられるのではなく、周りに散らされているところが、宇宙に一粒赤く輝く星を思わせてくれる明太を更に強調しているようだ。
ここにも宇宙がある。
パクパク隊:
じゃ、取り分けていいかしら?
ほう。優しいところもあるもんだ。
せっかく綺麗に飾り付けられているパスタ。なかなか手を出しにくいヤツでもあるが、ほんの少し細めのパスタに和えられた明太と海苔の風味が食欲をそそる。
パクパク隊:
アナタのいう通り、明太と海苔の風味が良いわね。
細めのパスタだから、たくさんの明太がパスタ麺に絡み合って、そこに海苔の良い風味がするわ。
なんだ…。
デートっぽいつもりだったのに、すっかり潜入取材をしているようなコメントをしてくれるじゃないか。
仕事を忘れて良いつもりで連れて来てやったのに、それではさっきからこの店によって宇宙空間に投げ出されたままになっている意識を連れて戻さなくてはならない。
流星の鴨サラダ
牧野さん:
普段はね、パーティで出すことが多いんだけど、星尽くしの最後にはやっぱりこれかな。
鴨肉を流れ星の頭に見立て、星が流れているように野菜をデザインして盛り付けてあるんだよ。
パクパク隊:
あら、これもお洒落ね。
こんなお料理を食べさせてくれたら、きっと女の子は喜ぶわ。
なんと…。。
さっきから伝わっていないようだが、今はデートっぽいことをしようとしているんじゃないか。
何ともコイツには、色気もムードもあったもんじゃない。
ん!?
あれはもしかして、Old Grand Dadの114 Proofじゃないか。
すっかり星を食べ…、いや星をモチーフにした食事を堪能し、最高に高揚した気分になっている。
やはり、締めにはバーボンだ。
いつも決めている。このバーボンを見たら、必ず飲むと。
飲み歩きの性分だからではない。このバーボンが飲み歩きの始まりだからだ。
このバーボンに出会ったから、この今があるんだ。
店のオリジナルグラスか。
それにしっかり丸く削られた氷。バーボンのロックはこれでなくっちゃ。