2017年9月19日(火)

ヨコハマトリエンナーレ2017開催中~素人でも楽しめる現代アートの世界

アバター画像 岸野 ちほ

今年は3年に1度のヨコハマトリエンナーレ開催イヤー!世界のアーティストの作品を関内・関外でも楽しむことができます。「現代アートってよくわからなさそう…」そんな方に声を大にして言いたい!今年のヨコハマトリエンナーレは、はっきり言っておもしろくてわかりやすいんです!


ヨコハマトリエンナーレ2017開催中!

8月4日(金)に開幕して早1か月半。皆さまもう足を運ばれましたでしょうか、ヨコハマトリエンナーレ2017!

今年のヨコハマトリエンナーレは、はっきり言ってわかりやすい!ぜひ訪れてみていただきたいです。筆者はアートについては素人ですし、実際現代アートに触れては「?」となることも往々にしてあるのですが、今回のトリエンナーレの作品は素直に「おもしろい!」と感じるものが多かったように思います。(完全に筆者の主観ですが、小紙はそういう媒体なのです!!)

…といっても小紙は「関内新聞」。原則的にいわゆる「関内」「関外」と言われるエリアのことしか記事にいたしません。今年のヨコハマトリエンナーレの会場は、横浜赤レンガ倉庫1号館、横浜市開港記念会館、そしてメイン会場である横浜美術館の3か所。

はい、お気づきの方いらっしゃいますでしょうか?横浜美術館は小紙のエリア外。(メイン会場なのに!!)そんなわけで本記事では、横浜赤レンガ倉庫1号館と横浜市開港記念会館のレポートをお届けしてまいります。

ヨコハマトリエンナーレって?

ヨコハマトリエンナーレ2001年にスタートした、横浜市で3年に1度行なわれる現代アートの国際展。国際的に活躍するアーティストの作品を展示するほか、新進のアーティストも広く紹介し、世界最新の現代アートの動向を提示してきました。

開催6回目となる今年のテーマは、「島と星座とガラパゴス」。

“タイトルの[島][星座][ガラパゴス]は、接続や孤立、想像力や創造力、独自性や多様性などを表すキーワード”(ヨコハマトリエンナーレ2017公式HPより)とある通り、“「接続」と「孤立」をテーマに、相反する価値観が複雑に絡み合う世界の状況について”を考察する展示となっています。(会期や開場時間等の詳細は、本記事の最後に記載しています。)

横浜赤レンガ倉庫1号館

それでは、まずはここからスタート!

ヨコハマトリエンナーレ2017_001

チケットを購入していざ、作品鑑賞へ!作品の簡単な解説の載ったガイドブックももらえます。

ヨコハマトリエンナーレ2017_002

使用後に硬貨が戻ってくる無料のコインロッカーに、荷物を預けて身軽な状態で楽しめるのもうれしいです。

ヨコハマトリエンナーレ2017_003

中へ進めば、ちょっと不思議でシュールな中に、なんだかおもしろさも感じてしまう、現代アートの世界が広がります。

小沢剛 帰って来たK.T.O

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こちらは家電製品やエレキギターなどが動きや音を発する作品。

宇治野宗輝 プライウッド新地

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パーツパーツの「モノ」はどれも見たことあるものなんですが…、普段の生活では絶対にお目にかかれない異質な集合体に圧倒されてしまいます。

こちらの作品もシュールで思わず笑ってしまいます。

クリスチャン・ヤンコフスキー 公共の身体から人間的彫刻へ

ヨコハマトリエンナーレ2017_009

これ何かと思えば、重量挙げのポーランド代表チームの現役選手が、ワルシャワ市内の歴史的人物の彫刻を持ち上げようとする映像作品なんです(笑)。「(笑)」とかつけたら怒られそうですが、でも観ていた人みんな笑ってましたから。

同じ作者の新作がこちら。

クリスチャン・ヤンコフスキー 公共の身体から人間的彫刻へ

ヨコハマトリエンナーレ2017_010

横浜の公共彫刻の気の流れをよくするために、マッサージ師が診断を行っているところです(笑)。シュール…シュールすぎる…でもなんだか愛らしく感じてしまうのはなぜでしょう…。

こちらの作品もおもしろくて見入ってしまいました。

暗い部屋の中に9つのスクリーンがあり、それぞれにミュージシャンたちが投影されています。

ラグナル・キャルタンソン ザ・ビジターズ

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ミュージシャンたちはヘッドフォンから聴こえる他者の演奏の音を頼りに、異なる場所から一つの曲を奏でようとしているんです。曲自体も素敵でしたし、長く観ていたい、聴いていたいという気持ちにさせられる作品でした。

横浜赤レンガ倉庫1号館会場の最後に表れた光景がこちら。

Don’t Follow the Wind

ヨコハマトリエンナーレ2017_013

この様子だけを見ると滑稽なのですが、これは被ると観られる、ある場所で行われている展覧会の「サテライト展示」。どこで行われている展覧会なのか、なんと福島第一原発の帰還困難区域内なのだそう。ああ、だから赤べこなのか、と納得。展覧会を実際にこの目で観られるのは、帰還困難区域が封鎖解除となったとき。作者たちの、作品に対する思いを想像してしまいます。

ここでご紹介したのはごく一部の作品のみ。横浜赤レンガ倉庫1号館には、これ以外にも多くの作品を楽しむことができます。じっくり鑑賞するとだいたい1時間くらいでしょうか。ゆっくり時間があるときに訪れるのがオススメです。

そうそう、鑑賞を終えたらミュージアムショップでオリジナルグッズをチェックするのもお忘れなく!

ヨコハマトリエンナーレ2017_014

横浜市開港記念会館

関内での開催地2か所目は、横浜市開港記念会館。

ヨコハマトリエンナーレ2017_015

入り口は、建物正面の会館入り口ではなく、側面にあるこの小さなとんがりが目印です。

ここ、地下室の入り口なんですよね。

ヨコハマトリエンナーレ2017_016

横浜市開港記念会館の作品を観るにあたり最も注意しておきたいこと、それはここではチケットの購入ができないという点。チケットは、横浜美術館または横浜赤レンガ倉庫1号館で購入する必要があります。

入口の階段を下りるとこんな雰囲気。開港記念会館の地下ってこんなことになっているんですね…!作品にたどり着く前に、いつも見慣れた「ジャック」の地下室に入れたことにまず感激。

ヨコハマトリエンナーレ2017_017

スタッフの方の懐中電灯に照らされて向かった先に表れるのは、瓦礫から眼光を放つゴジラをモチーフにした作品や、憲法9条の条文がLEDで流れる作品など。作者の問いかけやメッセージを感じられます。

柳幸典 Project God-zilla「横浜市開港記念会館の地下室」

ヨコハマトリエンナーレ2017_018ヨコハマトリエンナーレ2017_019

写真からもおわかりになるかと思いますが、中は結構暗いです。作品の雰囲気も相まって、人によってはちょーーーっとだけ怖いと感じられるかもしれません。でもほかのお客さんやスタッフの方もいらっしゃるので、ご心配なさらず。

ヨコハマトリエンナーレ2017は、11月5日(日)まで。会期終了間際は間違いなく今より混み合うと思いますので、開幕して1か月半という絶妙なこの時期に足を運ぶのが賢いのでは…と勝手に推測します。

1枚のチケットで3か所回れるヨコハマトリエンナーレ。

あと1か所、小紙のエリア外である横浜美術館には今月中にぷら~っと行ってきます!

ヨコハマトリエンナーレ2017_020

開催概要

  • 会期:2017年8月4日(金)~11月5日(日)
  • 休場日:第2・4木曜日(8/10、8/24、9/14、9/28、10/12、10/26)
  • 会場:横浜美術館/横浜赤レンガ倉庫1号館/横浜市開港記念会館 地下 ほか
  • 開場時間:10:00~18:00(最終入場17:30)[10/27(金)、10/28(土)、10/29(日)、11/2(木)、11/3(金・祝)、11/4(土)は20:30まで開場(最終入場20:00)]

この記事の著者

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岸野 ちほ副編集長

九州生まれ九州育ち。学生時代を横浜で過ごし、横浜を第二の故郷と呼んでいる。ハマスタでアルバイトをしていたことがきっかけでベイスターズファンに。ファン歴は10年。

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