そして、いよいよ選手たちの入場です。
ライトスタンドのブルペンの入口にスモークがたかれると、真っ白な馬がまずは駆け出してきました。それに引き続き、ベイスターズの選手たちがいっせいに走って出てきます。
セカンドベースの後ろに横一列に整列した選手たち。
その瞬間、横浜スタジアムには、この日の国家斉唱のアーティストの名がアナウンスされます。
そう、この本拠地開幕戦の国家斉唱は、歌手のMINMIさん。
大勢の観客がいるはずなのに、セレモニーの運びが完璧なほどに空気を作り、この瞬間はスタンドの観衆も固唾をのんで静まり返っていました。そしてMINMIさんの発表があると、ざわざわとする中、
「えっ?本当にMINMIなの?」
という声が、3塁ベンチ横にいた筆者の耳に聞こえてきました。
バックスクリーン上で、浜風になびく日の丸。その方角に選手とスタンドの観客が一斉に目を向ける中、MINMIさんの国家独唱が始まります。
照明は暗く落とされ、MINMIさんが歌っているホームベース上にだけスポットライトが当たり、バックスクリーンには、そのMINMIさんの映像とラミレス監督が君が代を聴く姿が映しだされていました。
短い君が代を歌うだけの、その時間。MINMIさんの歌声に横浜スタジアムが一つになった瞬間でした。
そして、MINMIさんの国家独唱が終わると、ベイスターズの選手が一人ずつ紹介され、ベンチに入っていきます。
まだ照明は暗いまま。
選手がマウンドに立つと、ほんの一瞬だけスポットライトが当てられ、暗闇の中に姿が浮かび上がります。
バッテリーを除く、この日のベンチ入りメンバーが登場したところで、このセレモニーは終了。
いよいよプレイボールです。
セレモニーの冒頭、筒香選手の映像と共に映し出された、あの意気込み。今シーズンこそは、リーグ制覇を達成してもらいたいと、共に今シーズンから監督に就任した、ラミレス監督と高橋由伸監督がメンバー交換を行う場面を後ろ目に、グラウンドを後にしました。
試合が開始された頃、この日のセレモニーで国家独唱という大役を堂々と務めたMINMIさんのコメントを取ることができました。
横浜DeNAベイスターズに合わせ、綺麗な青のドレスに身を包んだMINMIさんに、記者からの「どこのファンか?」という質問に、『関西で生まれ育ったから、幼いころは阪神の試合しか見たことが無かった…」と困った表情で答えたが、「これからは横浜DeNAベイスターズも応援したい」と上手く受け答え。
今年2月に離婚していたことをブログで発表した後、初めての公の場に登場したMINMIさんに、様々な質問が問いかけられたが、「夢のような場所で歌わせていただいて、もっと歌の道で精進し、皆さんに楽しんでいただける、パワーを送ることのできる歌を歌いたいと思った。横浜DeNAベイスターズにパワーを送りつつ、パワーアップしていきたいと思う」と笑顔で語っていました。
横浜スタジアムで君が代独唱させて頂きました??✨
聴いて頂いた皆様、会場の声援、テレビの向こうから応援有難うございましたm(_… https://t.co/9bq7Xl4tNs— MINMI (@minmidesu) 2016年3月29日
始球式の代わりに行われたこの盛大なセレモニー。
シーズンの終わりにはセレモニー以上に、関内の街にある横浜スタジアムで、ラミレス監督の胴上げが見たいものです。