やはりカウンターだ。
ん?
タンカラセット?
タンカラセットって、何だ?
…、
…、 …、 ……、 ………、
!!
そうか、タンメンに鶏のから揚げが付いてくるセットか。
しまったな。
胃袋のせいで焦りすぎて、可愛らしく書かれている店内のメニューを見ないで注文してしまった。
今日の胃袋の様子なら、鶏のから揚げをセットでつけても良かったかも知れん。
やはり焦りは禁物だった。今にも暴れだしそうな胃袋の虫をなだめることだけに集中していた気持ちは、店内のメニューを注意深く見ることを忘れさせてしまっていた。
俺としたことが…。
そんな頭の中でのやり取りなど構うことも知らず、厨房ではタンメンが着々とその姿に近づきつつある。
タンメンといえば、中華鍋でガッツリと野菜をいため、そこにスープを投入。中華鍋の中で煮えたぎったスープを器に注ぎこむ。
シンプルといえばシンプルだが、そのシンプルさ故に味の善し悪しは職人技といえる。
中華鍋でたっぷりの野菜を炒め、注ぎ込まれたスープが超強火で熱々に熱された鍋で一瞬にして沸き立った絶妙のタイミングで、麺の様子をうかがう。