そして、職人の目によってGoサインが下りた面は、一気に器に移し替えられ、タンメンの主役としての存在感をしっかりと強調していくのだ。
そこにこれまた修行を積んだ職人にだけ許された、手際の良さを際立たせる中華お玉の操りで、先ほどまでグツグツに煮たせられた中華鍋から、タップリの野菜を麺の上へと盛り付ける。
瞬きする暇もないな…。
野菜が移し替えられた後は、一瞬にして、これまたタンメンの味の全責任を負うであろう、スープを一気に器へと流し込む。
は、早い。
この店に入ってから、「タンメンだ!」とオーダーをして、わずか3分。いやそれより短いか。
職人による瞬間技で、暴れだそうとしている胃袋の虫を落ち着かせてくれるはずの、タンメンが既に出来上がりを迎えようとしている。
タダものじゃない!
青空タンメン
店の入り口にあった看板の言葉は嘘じゃない。
確かに、野菜タップリタンメンだ。
なんと、器の縁からこんなにも盛り上がっているじゃないか。
タップリの野菜は、麺からタンメンの主役の座を確実に奪いとっている。
これが青空のタンメンか…。