おやっさんのせっかくの勧めだが、話のネタのために、悪いが御三家から選ぶか…。そうだ「村尾」にしよう。微かな記憶の中で、御三家の飲み比べをやった時、この村尾が口に合っていたような気がしたが、好みの焼酎でよかったかなっと…。
それにしても、鮮やかに綺麗なグラスで飲ませてくれる。プレミアム焼酎を注ぐ、粋な計らいといったところか。こう言ったところにも、酒飲みのハートをグッと鷲掴みにしてくれる心地良さがある。
美味しいものを安く
ほぅ…。
これがお通しか…。
山芋のサラダに、タコとネギの…?
そうか!そうか!!
ピリ辛に味付た、タコとネギか。
山芋のサラダには茗荷が添えられ、日中にかいた汗でカラカラになった身体で、唾液もその役割を果たさず放置した口の中を、さっぱりとしてくれる。それにタコの食感に、シャキシャキとしたネギのアクセント。そして最後にさり気なくガツンと主張するピリ辛味が、なかなかいい役割をしてくれている。
ふむふむ…。
次はツブ貝だ。優しい味付で煮込まれ、程よく味が薫ってくる。ツブ貝の食感を楽しみ終わるころに、芋焼酎の村尾を流し込めば、そこは既に、錦江湾に浮かぶ釣り船の上で揺られる夢心地。
なんと…。
コイツゎ、黒豚の焼豚だな。酒飲みは胃が悪いと相場が決まっているから、豚の脂身は避けたいところだが、この黒豚の焼豚は、さらっとしつこくない脂で、酒が更に進んでくれる。
それに、このボリュームで一人前だと。何とも贅沢な盛り付け。余すところなく、酒飲みの柔らかいところをくすぐってくれる、そんな盛り付けと言っても過言ではないか…。
ふふふっ…。
何だか、静かに飲むっては、いいもんだな。一噛み一噛みを口の中で満喫できる上、一口一口注ぎこむ酒に酔いが進むのが感じられる。確かに、アイツ以外にも、何かと飲みについてくる奴等が増え、一人で静かに飲む機会を逸していたからな…。
勝負する素材の良さ
岩松さん:
魚は四季折々のものを主に三浦地区から仕入れてるね。素材の味を大切にして、それで勝負している感じかな。
元々、料理人としての修業をどっかでした訳じゃないからね。素材に助けてもらわないと。
お肉は薩摩の黒豚と、宮崎牛を置いてるよ。黒豚の脂は、さらっとしてて癖が強くなく、何と言っても美味いからね。
宮崎牛は焼いてステーキにして出すね。お腹の具合に合わせて、希望の分量を言ってくれれば、その量にカットして焼いてあげるよ。
美味しいものを安く。
それに、一人でも気軽に来てもらえるってのがうちのコンセプトだから、お客様のニーズに合わせた分量と金額で提供してるんだよ。
本当の旨いもんを知っているおやっさん!