2014年7月24日

【静息】旨いもんを知り尽す、おやっさんが運んでくる薩摩の薫り

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森本 康司 森本 康司

かつおのタタキ③なんと…。

店の作りや焼酎を飲ますグラス、そして焼酎そのものの品揃えだけではなく、お腹の具合や懐具合まで、こちらのニーズをくみ取ってくれるとは。

どこまでも貪欲に、酒飲みのハートを独り占めしてくれる店なんだ。

かつおのタタキ④それを早く知っていれば、ツブ貝や黒豚の焼豚だけじゃなく、おやっさんが何気なく火を入れ始めた、そのかつおのタタキも食べられたかも知れんということか…。

 
不覚…。
 

しっかりとボリュームのある2種類のお通しと、ツブ貝に黒豚の焼豚。これだけで、しっかりと焼酎の相手をしてくれ、あれだけで、たっぷりと満足感に浸らせてもらえた。

かつおのタタキ⑥それにしても、修業などしたことがないと言っている割には、見事な手さばきでカツオに綺麗な焼き色を付け、鮮やかな手つきで切り分け、見ているコチラが食べたいと嘆願したくなるほど、美しい仕事を魅せてくれる。

ニーズに合った分量が許されることを予め知っていたら、このかつおのタタキもプレミアム焼酎とともに楽しめたか…。

ふぅ~っ…。

見た目に、何とも鮮やかではないか。程よく火であぶられ切り分けられたかつおは、しっかり2層のコントラストを四方に発し、そこにネギの白と、大葉の緑が良いアクセントを付け、より一層の輝きを放つようだ。

かつおのタタキ

本当の旨いもんを知っているから…

酒飲みの気持ちは、酒飲みにしかわからない。そのことを教えてくれたような衝撃だった。

褐色の肌に、穏やかに輝く眼。自らが口にし、旨いと知ったものだけを提供するという計らい。

これほどまでに、安心して静かに身を任せながら、飲める店が他にあるのか?

おやっさん②

強い縁でつながれ惚れ込んだであろう鹿児島から、本格薩摩焼酎を揃え、“修業していないから”と躊躇いがちに素材に助けてもらうと、おやっさんは言うけど、旨いもんを見極める眼と舌は本物だ。

隣の席

ほぅ、なるほどな。

おやっさんが言う、「食べたいものを食べれるだけの分量で」というのは、正にあぁ言うことを言うんだな。その辺のことを良く知ってるお隣さんは、しっかりとかつおのタタキを召し上がっているではないか…。先ほど綺麗に盛り付けられていたのは、二人前ぐらいはあっただろうが、お隣さんのお膳の上には、一人前で盛られたかつおの跡が見て取れる。

 
久しぶりに、見つけちまったか。
 

テーブル席

この店は、ちょっとした隠れ家にとって置きたいところだが、いつも旨いもんを教えてくれた恩人を連れて来てみるか。飲むと量を食べないあの方でも、ここなら少しずつを数種類、召し上がってもらえそうだ。

いつもご馳走になってるから、たまには恩返しに接待させてもらうとしよう。懐具合を心配せずに、年長者相手の接待でも安心かも知れん。


お店詳細

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