続いては、小さな蒸篭にその色味が可愛い野菜たち。食べちゃうのがもったいないぐらいに、一つ一つが色鮮やかに輝いて見える。
看板娘の次は、ヘビーローテーションにFMを席巻するアイドルの宝庫のようなグループの蒸篭蒸しちゃん。
野菜そのものが持つ甘さや食感といった能力を、蒸篭を開けた時に出る昭和に歌謡曲トップテンを毎週紹介していた歌番組でよく見たスモークのような湯気がさらに盛り立てる。一つ一つが主役のようであり、一つ一つの個性が融和してできる新たな魅力が、蒸篭の中でダンスを踊る。
ふぅ~
今宵の妄想はとどまることを知らない…。
不思議の国に迷い込む前に、妄想のペースを日本酒でクールダウンせねばだな。
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おおっと…
日本酒のタイミングで、今度はお刺身。何とも絶妙なタイミングで、妄想を止める決意を簡単に打ち破ってくれる。それもこの店の…、それがこの㐂樂(きらく)の喜びを楽しませる粋な計らいなのであろうか。
気が付けば、一人で宴会レベルに楽しくなってくる。いつもこの店の奥行きのあるカウンターに座ると、目の前いっぱいに目に嬉しい料理の数々を並べているような気がする。
看板メニューの角煮に、蒸篭いっぱいにダンス踊る野菜たち。そこに光り輝く海の幸がふんだんに出てきてしまった日には…。
ふふっ
見つかっちゃっていたんだな…。
㐂樂(きらく)の渡辺さん:
えっ?焼酎ですか?この「海」なんていかがですか?
海の幸をたっぷり満喫していただいている、このタイミングだから「海」。
それにしても、知らなかったんですけど、妄想タイムっていうんですか?メッチャ長いっすよねぇ~。どのタイミングで登場しようか見計らっているうちに、気が付いたら物語が終わりそうになっちゃって…。
いかん、いかん…
止める奴が居なくなったといって、物語の大方を妄想タイムで過ごしてしまった夜。店の雰囲気の良さと料理の美しさに、いつも以上に妄想が長くなり、気が付けば締めのタイミング。
いいんだ、これで…
だって、もともと見つかっちゃっていたんだからさ。
喜ぶと楽しいの旧字体を並べる㐂樂(きらく)。その名の通り、喜びを楽しませてくれる店だからこそ、過去最長の妄想タイムを喜んで楽しませてくれた。
一人でも宴会。二人でも宴会。
グループになったって宴会で、接待でも宴会。
それは、どんな時でも喜びを楽しませる、この店「㐂樂(きらく)」だから得られる結果であり、この店が育む物語なのだろうさ。
さぁて、今宵はもうこの店でもう少し飲んで帰るとしようか。
ショップデータ
- きらく(KIRAKU)
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- 横浜市中区相生町3-61
泰生ビル1F - TEL:045-651-5571
- 営業時間:
月-金/17:00-3:00 (L.O.2:00)
土/17:00-24:00 (L.O.23:00) - 定休日:日曜・祝日
- 横浜市中区相生町3-61