ミニ茶わん蒸し
気を取り直して、ここからは主導権を握ってコメントをしていかなくては…。
そうそう。こういった大好き過ぎる程の玉子料理の第一人者「茶わん蒸し」でビシッと決めてやらなくてはな。
茶わん蒸しのように、家庭的で誰だって一度は口にしたことがあるお料理に、どんなコメントを付けるのかというのは、表現力の差が如実に露呈してしまうのさっ。
さ、さて。どれどれ…。
…。
…。
あ、あれ??
パクパク隊:
ちょ、ちょっと。ちゃんとコメントしなきゃ。
ええ??もしかして…。え?どうしたの???
パクパク隊:
…。
…、…。。
な!そうなるだろ?
そうなんだよ。この茶わん蒸し、ただの茶わん蒸しじゃないんだ。
京風の御出汁に、トロッとしたあんかけ。優しい出汁の風味と、あんかけのとろみが優しく玉子のタネを包んでいるようなんだが、そのタネが何か違う。
そ、そうか!分かった!!
この玉子のタネには、想像をしたこともない奴が、その存在をさり気なく主張している。
パクパク隊:
チーズだよね!
あぁ~あ。そこは、こっちの台詞でしょ…。
もう、簡単に言っちゃうんだからな。
そうだよ。この茶わん蒸しには、チーズが入っているんだ。和風でいて、どことなく洋風…。いや、御出汁とあんかけのトロッ感は、絶対感を持った和風で、チーズが大昔から日本で培われてきた文化でもあるかのように、茶わんの中で新しい世界を作っている。
さっきチラッと顔を出した、この店のオーナーシェフとやら。柔らかい笑顔で優しく話してくれると思っていたが、涼しい顔をしてサラッとこれほどまでの逸品を投入してくるとは。
新サンマのお刺身
よしよし。
衝撃が強すぎた、茶わん蒸しに続いては、この季節の代名詞ともいえる、この刺身。
秋といえばサンマ。サンマといえば秋。それが日本の秋って言うもんさ。