2014年8月19日

【繋想】様々な奇跡が重なり北欧の想い出を繋げるBAR NORGE-後編

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森本 康司 森本 康司

中村英吾さん④

中村さん:
そちらは、ピニャコラーダのフローズンスタイルです。
パイナップルジュースとココナツミルクをラムベースで仕上げたカクテルですね。
夏ですからフローズンスタイルにしてみました。

 
この店にスイッチを入れてもらってから、既に4杯のバーボンを空けているが、バーボンの酔いというよりは、この店そのものに酔っているという感覚。

そして、この感覚はコイツも同じか…。

時間の感覚すら、そして空けたグラスの数すらをも忘れさせてくれる。今まで探していたBARに、長い旅路の末にようやく辿り着いた。そんな夢のような感覚にもさせてくれる。
 

時空を操る匠だな。
 

ふ~っ。

ごくっ…、
おっと、いつもの決め台詞はもう少し後だ。

その前に、最後にもう一つ、オーナーに聞いておきたいことがある…。

 
本当に、この店は当時のままなのだろうか。どう見たって40年も経っている店には思えないし、どう見たって美しすぎるほど綺麗に保たれている。

市川オーナー⑤

市川オーナー:
殆ど当時のままですよ。カウンターも、このカウンターの椅子も当時のままです。
調度品などは、私の代になってから選び置いたものもありますが、基本的には当時のままです。

このお店には初代のオーナーの想い出、そしてお亡くなりになった後に引き継がれた奥様の想い出。
そして40年間の間に、このお店に来てくださったお客様の想い出がたくさん詰まっているのです。

もちろん、私の20年前の想い出も一緒に。
色んな人たちの大切な想い出が詰まったお店ですから、何も変えず、そして何も変わらずにしておきたいのです。

 

確かに、40年間のたくさんの想い出が詰まっている…。しかし、そこには全くの古さを感じさせない趣がある。
綺麗に磨かれた壁やカウンター、そして今でもしっかりと最前線で現役を果たしているジュークボックスと真空管アンプ。

時間の魔術師が魔法をかけた時空の捻じれは、たくさんの想い出を乗せたまま、まだ航海を続けている客船ということか…。

市川オーナー⑥

市川オーナー:
あ、ジュークボックスですか。維持するのも大変ですね。
音楽をかけるだけなら、何もこんな物を使わなくても良いですよね。でも、このレコードの音が良いのです。温もりがあるというか、デジタルには無い優しさがありますから。

今の時代に考えれば、無駄なことがたくさんあるかも知れません。しかし、この店の40年の想い出というものは、2度と作れないものですから、これを無くす訳にはいかないのです。

 

そうか。

 
少しわかったような気がする。待ち合わせまでのホンの少しの時間だと思って入った店。パチンっと、スイッチを入れられるように雰囲気に身を任せられた訳。そして、ゆっくりと時間を費やし、4杯ものバーボンを空ける程、長く時間を過ごしたくなった気持ち。

それは、40年以上に渡り繋がってきた想い出たちが、BAR NORGEという船室に彷徨い、様々な奇跡を重さね続けているからなのだろう。

 
やっと見つけちまった。
 

珍しく自ら進んで4杯も飲んだアイツ。

その割には、まだまだしっかりした足元をしているアイツに、そろそろ飯でも食わせに行くか…。

 

ショップデータ

BAR NORGE
  • 横浜市中区山下町217番地
  • TEL:045-641-7020
  • 営業時間:
    月~金 18:00~3:00
    土 13:00~3:00
    日 13:00~24:00
  • WEB:bar-norge.com

 

この記事の著者

森本 康司

森本 康司編集長

関西に生まれ、学生時代をアメリカで過ごす。帰国から5年した頃に流れ着いたこの街が好きになり、2013年12月に関内新聞を立ち上げる。美味しいものに目が無く、あらゆる種類のお酒を飲むがバーボンが特に好き。近頃は、見様見真似でシェーカーを振ったり、料理をしたりすることが多くなった。お酒の空瓶で作るBottle Ware Artにハマっている。

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