2014年8月19日

【繋想】様々な奇跡が重なり北欧の想い出を繋げるBAR NORGE-後編

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森本 康司 森本 康司

市川オーナー③

市川オーナー:
1年半ほど前から、このお店のオーナーになりました。
それまでに、様々な奇跡が重なり、今のこの場所があるのです。

20年以上前、まだ二十歳を過ぎたばかりの頃、この店に通っていました。
その当時は、この店を作った最初のノルウェー人のオーナーの奥様が、店をやっていました。

本当に雰囲気の良いお店で、このお店で飲むのが好きだったんです。
そして、いつか自分もこんな素敵なお店が持てたらなぁと、漠然と考えていたんですね。

 
確かに…。

今のこの店の雰囲気が、当時のままだとすれば、20年以上も前にこの雰囲気を持っていれば、それは最高に素敵なお店だったに違いない。

 
でも…、いや、しかし…。

なぜ、通っていただけの当時二十歳そこそこの若い男が、今こうしてこの店のオーナーになっているんだろうか。

着こなすスーツ姿。カウンターに座り、グラスを見つめる眼差し。

その素敵なまでに整った仕草を見ると、もしかするとこのオーナーもバーテンダーなのかも知れないと思わせられるが、それだったら、カウンターの中で素敵なドリンクを作っているだろうに…。

 
…、ん!?
 

な、なんだ。

この店の持つ時間の感覚を操る謎を解いていこうとしている横で、コイツは更にまだオーダーするつもりか?

スイカのソルティードック①

スラッと伸びた綺麗な指を持つバーテンダーが、また新たなドリンクを作っているが、この空間には他の客はいない。

普通ならそんなことの一つ一つに驚くことはないが、既に2杯のカクテルを空けている後だ…。

 
珍しいこともあるもんだ…。
 

スイカのソルティードック②

中村さん:
何か果物のカクテルということでしたので、この季節の旬な果物「スイカ」を使ったカクテルです。
スイカの果汁をウォッカで割った…、スイカのソルティードッグですね。
グラスのクチ半分にだけ、ソルトをまぶしていますので、その味の違いをお楽しみください。

 
いや、それにしてもよくお飲みになる日だな。

普段なら1、2杯飲んだら酔っぱらうなんて言っていたが、この店の魅力にとり憑かれて、酔いを酔いと感じなくなっているのだろう。

それが良い酔い(ヨイヨイ)というもんだ…。

スイカのソルティードック③

パクパク隊:
う~ん…。スイカ!
って、ちょっと、いまシレェ~ッといったけど、何かおかしなこと言わなかった?おやじギャグ??

 
良いんだ、そんなところをワザワザ拾わなくて…。この店に入ってから、オーナーを始め美しすぎるほどの仕草を持った男たちに囲まれているんだ。その雰囲気に合わせて、ここまで一つもボケることなく、ニヒルな装いを保ってきたんだ。

その無理がちょっと顔を出してしまっただけなのさっ。

そんなことより、せっかくオーナーから良い話を聞き出せそうなんだ。そっちはそっちで静かにやっててくれないか。


お店詳細

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