和田さん:
伊豆の魚をたっぷりと食べてもらうお店です。
その魚を仕入れている伊豆の漁港の人たちが、漁から戻って家に帰る前に立ち寄る「舟小屋」をイメージして作っています。個室の壁はまさにそのイメージですね。トタン調に仕立てて、ゆっくりと疲れを癒していただけるように考えたんです。
そうか。なるほど。
天井からこの店の全体の雰囲気を優しく作り上げるように灯りをともす照明は、子供の頃、社会科の教科書で見た漁船の写真をイメージさせていたんだ。
徹底的に伊豆の海と魚にこだわり、店の雰囲気を作っているんだ。
間違いない。
お店の外看板からアプローチ、そしてお店の入り口にあった看板と、そして徹底したコンセプトで作り上げられた店内の雰囲気。
さらには、魚をさばくと包丁を握った時に見せる、鋭い目。
このお店なら、今宵が必要としている、美味いもんで一週間の疲れを労い、次へと繋げる活力を与えてくれるはずだ。
梅・海苔くらげ盛り合わせ
こんな時は慌てず、ゆっくりやった方が良い。ビールで喉を潤したら、次は酒のあてをチョイチョイとつまみ、メインの魚に行きつくまで、ちびちびと酒を飲む。
ほぅ。これはクセになる。
コリコリとした食感と歯ざわり。
ひとつまみずつ、ゆっくりと口に運び、そしてそのコリコリを口の中で楽しむ相棒として、梅と海苔の違った装いをしたクラゲを選べる。
こんなつまみを噛みしめることができる口の中は、既に海の香りが踊り始めるようだった。