さぁて、何を食べようか…
春一番は吹いたのに、一向に暖かくならない今宵。うんまいモンでも食べて、心も身体もホッコリと暖まりたい気分だ。
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とは、言っても何を食べようか…
独りメシの良いところは、自分の食べたいものを自由に選ぶことができること。だからと言っても、自由に選べることが日課になってしまうと、そう毎日毎日食べたいものがあるわけじゃない。
困ったな…
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んっ~!?
何が食べたいですか?だと。それが決まらないから、関内大通りを越えて馬車道まで歩いて来たんじゃないか。
どんどん出てくる手料理!?だと?
しかも食べ放題というのか。なんだ、なんだ!!
何が出てくるかはお楽しみ…だってぇ~。
いったいこの看板は、何を言っているんだ?食べ放題のうえに、何が出てくるかはお楽しみだと。全くもって聞いたことがないキャッチコピーの組み合わせ。ただ、唯一わかっていることは家庭料理を食べさせてくれるということ。
どっちにしたって、今宵は食べたいモンが決まらない気分のようだし、このまま流されてこの店に行ってみるとするか…。
それは、いつか行った地下にあるライブバーと同じ建物。馬車道からもう少し入船通りを桜木町に向かった交差点の角にある建物の8階。
エレベーターの扉が開くと、電飾が埋め込まれたレッドカーペットが出迎えてくれる粋な計らいが、ふさいだ気持ちを小躍りさせてくれる。
居ZACK
その店のネーミングからは、どちらとも取れそうだった。
まぁ、いいか。
せっかく8階まで上がって来たんだ。それに食べたいモノも決まらない優柔不断な気持ちの夜だ。何が出てくるかお楽しみと、意味ありげに言っている看板が、また自信の表れのような気もするし…。
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当たって砕けてみるか。
おぉ。何とも広い店内。それに最高に素敵な笑顔で出迎えてくれる、カウンターの中の人。店内の雰囲気からは、スナックが…
カラオケの機械があるところを見ると、スナックが正解なのかも知れないが…。
なんだなんだ?
なぜそこにスナックにはあるはずがなかろう、囲炉裏があるんだ?
囲炉裏がある居酒屋なら合点がいく。ということは、やはりココは居酒屋と呼んでいいのだろうか。
店内を見渡す限り、スナックなのか居酒屋なのか、全くもって判断がつかん!
いよいよ謎が解き明かされる。この店の新スタイルとは?