2014年3月4日

【意地】頑なな職人魂が出汁にしみ出るおでんを食わす文次郎!

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森本 康司 森本 康司

朝どれのいい魚が入っているから刺身も食べて行ってよ
刺身

空腹だった胃袋も、おでんの温かさでしっかりと温もっている。それに身体もしっかりと温かくなった。

日本酒も好きな感じの辛口があったんだ。

親父が勧める刺身とやらをいただいてみるか。

金目に方々、平目にイカ…。後はわからないが…。

 
なんだ?これは鯖か?
でも、どうやら〆てないようだ。

 

生鯖を出すのか?それは鮮度に自信がある証拠。散々食べ歩きを趣味にしてきたが、飲食店で生鯖を出す店に当たったのは初めてかも知れない。

相当自身があるんだろう。

カワハギの肝も旨いな。バターのようなコクに、まったりとした食感。何より口の中で、じわっと溶ける感じ。

 
最高だ。
 

次はなんだ?親父はここで何を食べさせてくれる?

ここまで来て通り一辺倒の締めのご飯ものが出てきたらがっかりするぞ。

 
サケといくらの土鍋ごはん
 

2合炊きで出てくるというが、しかし既におでんと刺身でおなかは9割までいっぱいになった。食べられたとしても茶碗に一杯だろう。

そんな悩みを考えていると、親父が余ればお土産(おみや)にしてくれるという。

それに、今から炊き出すから20分ぐらい待てとも…。

丁度良い。ここまであまりの旨さに、日本酒を味わうことが遅れていたが、土鍋ごはんが出てくるまでに、刺身の余韻に浸りながらもう1合いただこう。

この瞬間がたまらない。

確かに刺身に合わせる日本酒も最高だが、何よりも贅沢なのは、それまでに食べた旨い料理を思い浮かべながら、ゆっくりと口の中に日本酒を含み、その香りを頭の中の旨い料理と合わせることだ。

それは食べ歩きが高じた上にたどり着いた、幸福で至福の瞬間だった。

土鍋ごはん

そして炊き上がったサケといくらの土鍋ごはんが出てくる。

サケといくらの親子丼は珍しくないが、それを土鍋で炊き上げ食わせるなんて、どこまでも貪欲に客の胃袋を鷲掴みにするんだ。

サケの腹身の部分から出た脂が、まったりといくらに絡みつき、そのいくらがやや身を崩しながらご飯にしみだせば、土鍋の中は黄金色に輝く黄金の米の海。

まったりとした脂も嫌な感じをさせない。

お腹がいっぱいだったことも忘れ、1割以上も胃袋のキャパを超えて黄金色に輝く米を口に運んでいた。

 
最高の店に巡りあった。
 

赤提灯の白髪の爺さんが作る年季の入ったおでんを想像したが、白提灯のおでんもまたいいかも知れない。このお洒落な店構えからは想像もつかないこだわりの出汁で食わすおでん。

それに刺身を食べた上に、締めにはこの土鍋ごはんだ。

 
 
やばい…。千鳥足になるどころか、腹がいっぱいで歩けない…。

 
仕方がない、駅も近いことだし、今日はこのまま素直に帰るか。

2軒目に行くほど、もう胃袋には余裕がないらしい。

 

ショップデータ

地酒や 文次郎
  • 横浜市中区尾上町3-40
    第二柳下ビル1階
  • TEL:045-633-3807
  • WEB:www.bunjiro.biz
  • 営業時間:
    【月~金】ランチ 11:45~13:30/ディナー 17:00~25:00
    【土・祝】17:00~23:00
  • 定休日:日曜

この記事の著者

森本 康司

森本 康司編集長

関西に生まれ、学生時代をアメリカで過ごす。帰国から5年した頃に流れ着いたこの街が好きになり、2013年12月に関内新聞を立ち上げる。美味しいものに目が無く、あらゆる種類のお酒を飲むがバーボンが特に好き。近頃は、見様見真似でシェーカーを振ったり、料理をしたりすることが多くなった。お酒の空瓶で作るBottle Ware Artにハマっている。

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