そして屋根の代わりには、ヨットの帆を思わせる白い布だ。
日差しよけかな。
真夏なんかは、この日差しよけが無いと暑くてたまらないだろう。
通りが見下ろせる側にはランタンがぶら下げられ、夜の航海に出た船の上で酒を飲んでいるような気分にさせてくれそうだ。
色んな表情を見せる最高のBarじゃないか。
本当にいい店を見つけた。
不意を突かれたアイツの一言に、引き出しが無くドギマギしたが、動物的嗅覚でココを嗅ぎ付けたのは、今後の自信につながった。
そういえば、店の名前は何て読むの?
そういってマスターに話かける。
マスター:
『The Bar Tenmar』は「テンマ」と発音します。
私の名前が天馬というんですね。それでBar天馬です。
でもなぜ屋上にBarを?
マスター:
この建物の1階が、母親の実家なんです。
100年以上続くタバコ屋なんですよ。
元々は学校の教師をやっていましたが、退職を機にこの屋上で何かやりたかったんです。
!? わかった!
さっき不思議だったあの数字は、学校の先生時代の思い出の品かな?
「3-6」というのは、建物の番地ではなく、教室のクラスのことか。
何から何まで、ストーリが良くできているな。