何が最高っ!だ…。
ワインと合わせて、ポルチーニの玉子プリンと一緒にフォアグラを口いっぱいに含んでやりたいって、誰だって思うだろ。
そうそう。
絶対的な直感に、冴えた感覚で惹かれたこのお店を見つけたのは誰だと思っているんだ。
その当たり前すぎるご褒美として、ワインと一緒にフォアグラを合わせる特権を渡しても良いってもんだ。
まぁ良い。次に出てくるのは、今シェフがグリルで丹念に温めている赤い器に違いない。
その次の一品に掛けるッ!
アリゴ
シェフがグリルで温めていたのは、チーズだったか。
ワインとチーズ
最高にまでのぴったりの相性。この一品が出てきた時には、飲み比べながら心行くまでワインが飲める飲み放題にしておいてくれたことをコイツに感謝せねばなるまい。
パクパク隊:
ちょ、ちょっと。チーズフォンデュだと勘違いしてるでしょ?
このお料理…、違うわよ。
なんと?
見た目にもチーズで、添えられているパンや野菜につけて食べる一品に、チーズフォンデュ以外の適切な呼び名が見つからんぞ。
もし本当にそれがチーズフォンデュでないとしたら、今までに食べたことがない料理ということになる。そうでなければ、呼び名がボキャブラリーのデータベースに入っていないはずがない。
川﨑シェフ
川﨑シェフ:
そちらは、当店のスペシャリテの1つ「アリゴ」というお料理です。お店の冠にもなっているお料理ですね。
モッツァレラみたいな伸びるチーズのトムフレッシュに、マッシュポテトとガーリックを練り合わせてお野菜やパンにつけて食べるフランス南西部オーベルニュ地方の郷土料理です。
ふーん。
チーズフォンデュではなくアリゴだな。確かに濃厚なチーズの奥に、ほんのりとガーリックの風味と、しっかりとしたマッシュポテトの甘味が主張し、3拍子揃った味を整えている美味しさがある。