【歴史探訪】-関内の小さな遺跡を訪ねる1 -シルク通りの大砲-

関内地域にある小さな遺構たち

横浜市の関内地域(馬車道、関内、日本大通り、山下町一帯)は、幕末の開港時に突貫工事で作られた街でしたが、外国人居留地が広大で整然と存在していたこともあり、大変特色ある街並みが存在していました。

しかし残念ながら、これら街並みの大半は1923年9月1日の関東大震災で倒壊することになります。

ただ、現代でも関内地域を散歩すると、そこかしこから当時の遺構を見つけることが出来ます。まずは、山下町のとあるマンションの前にある、この大砲を紹介します。

大砲の遺構

<マンション敷地の隅っこにあった大砲の遺構>

なぜこんなところに、大砲が

この大砲は、大桟橋通りの中華街側を並行して走る裏通りと、本町通りの中華街側を並行して走る裏通り(シルク通り)が交差する場所にあります。

 
もちろん、今でも使えるというようなものではありません。れっきした歴史上の遺物です。外側が赤い錆で覆われてますが、何とも言えない重厚感を感じました。

なぜこのような場所に置かれているのでしょうか?

すぐそばに、この大砲の伝来が書いてある案内板がありましたので、読んでみました。

要約しますと:

  • 1854年(嘉永七年)にペリーが,再度来日した際、条約交渉の場が横浜ということになった。
  • 幕府は横浜の警備を、松代藩(長野)、小倉藩(北九州)の二藩に命じた。
  • 松代藩の佐久間象山が、藩の軍議役として大掛かりな装備で威風堂々と出陣して、幕府を驚かせた。
    (案内板によると、和蘭(オランダ)新式野戦砲二門、牛角砲二門、本込銃、槍刀兵など)
  • しかし、断腸の思いで大砲などをこの地に埋めることなった。

「断腸の思いで」大砲などを埋めることになったのは、ペリーの二度目の来航時に吉田松陰たちの密航未遂事件が発生し、そのときに連座責任を取らされ、失職し入獄してのち松代蟄居となったためであろうと、想像できます。

大砲が発見されたのは、埋められた後ずいぶん経過して、この土地にあった倉庫会社が社屋を新築工事するときだったそうで、ここから三門もの大砲が出土しました。

ここにまず一門が展示され、他の二門は開港記念館と歴史資料館(案内板にそう書かれていますが、開港資料館?歴史博物館?)に陳列されているとのことだそうです。

おわりに

関内を歩くと、思わぬところに歴史の遺物・遺構が転がっています。それはまるで先日より日本でも配信され始めた「ポケモンGO」のモンスターようです。

横浜の歴史遺物・遺構とモンスターを同列に並べてしまうのは少々憚られてしまいますが、関内の街角をちょっと観察するだけでいろんなものが見つかるのは、なんだかとても楽しいものです。

これからも随時見つけていきたいと思います。


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この記事の著者

佐野 文彦

佐野 文彦博士

滋賀県で生まれ、学生時代を福井で過ごす。社会人になってからは、横浜を生活拠点としている。本業の傍ら、ジャズやゴスペル・ファンクなどでサックス演奏や、コーラスグループでの合唱活動も行っている。横浜が自分の歌や演奏で満ち溢れるといいなどと、大風呂敷な夢を持ち歩いている。彷徨うような街歩きが大好き。

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