な、なんだと!
ずいぶんと躊躇いもなく、その韓国風やっこに手を付けるんだな。
いいか、豆腐は白いんだ。なのに、このやっこは既にそれが豆腐であることがわからないほど、唐辛子で赤く染められているんだ。それはまるで白無垢の花嫁さんが綺麗にお化粧をしているのに、嬉しさのあまりに目頭を熱くし、頬を赤らめ涙を堪え泣くように赤くなっているんだぞ。
パクパク隊:
また始まっちゃうの?その訳のわからない例え。
そんなこと言ってないで、食べてみたら?この韓国風やっこ、全然辛くないよ。
いいや、そんなことがあるはずがない。何度も言うが、白いはずの豆腐が、まったく持って別の食べ物に生まれ変わったかのように唐辛子で赤く染められているんだ。たこ焼きが上手く焼けたからって、調子に乗って味がわからなくなってしまっているんじゃないのか?
えぇ~い!
こうなったら目を瞑って、この韓国風やっこを口に入れるしかない。男らしいところを見せてやる!?
( ゚ ▽ ゚;)
か…、辛くない!
それになんだ。唐辛子以外に豆腐にかけられているタレは…。美味いじゃないか、醤油のようだが単なる醤油ではない。コクがあって風味もあって、この唐辛子と薬味として乗せられた生姜と最高にマッチして、今までに食べたことも味わったこともない豆腐を演出してくれている!
キャプテンしんちゃん
キャプテン:
その唐辛子、辛くないでしょ?韓国の唐辛子を使ってます。キムチに使う唐辛子とは違いますけど、辛味よりコクと風味がある唐辛子ですね。
えっ?
そのタレですか?それは秘伝のタレですね。醤油ベースに当店自慢の隠し味を加えてます。
あ、もちろんそれがどんな隠し味かは言えませんね。隠してるから隠し味ですからね!
確か隠しているから隠し味か…。
この最高に美味い韓国風やっこを家でも再現したいと目論見、半ばダメ元でえいやっと訊いてみたが、やっぱりダメか。
ふ~ん…。
手羽先か…。手羽先をからりと唐揚げに揚げるのか。さっきの韓国風やっこで、あまりの衝撃に少々疲れ気味になっているから、コメントを控えめにできそうなメニューで良いかもな。
手羽先カラアゲ
カラリとこんがりってやつだな。どんな料理でも鶏肉は大好きだ。
衝撃の箸休めにこういうオーソドックスな居酒屋メニューが安心するな。箸休めだけに、ここは手で豪快にガブリといって、パリパリな手羽先の皮とジューシーな鶏の身を普通にいただくか。
ちょうどお代わりの生ビールもきたか。手羽先といえば生ビールだが…、そういえばさっきは普通に飲んでいたけど、このジョッキ変わってるな。たこ焼きを焼いているのを観ながら、グビッグビと気にせずやっていたが、ずっと熱くなっている鉄板の横にジョッキを置いていたはずなのに、最後まで冷たく、そして美味しく旨く飲めた。
それにアイツのモヒートのグラスには、しっかりと水滴がつき、視覚からもそれが冷たいと理解できるのに、このビアジョッキには一切の水滴が付かず、最後まで冷たさが持続されている。
鉄板の周りに置いていても美味く飲めるようにの、キャプテンの粋な計らいってやつか。ビール好きにはたまらない気遣いだ。
そ、そんなに分厚いの??