本マグロの中トロ
好みのネタに思わずうっかりした事を言ってしまいそうになった。
が、だ。
立て続けにコイツを口にするまでは、うかつなことを言っちゃならんな。
う、美味い。イヤミの無い脂。まったくしつこくない。それでいて、あっさりと口の中でとろけてくれるちょうど良い頃合い。
大将:
今日はちょっと良いところが入ってたんだ。それ美味いでしょ?それはね中トロでも頭に近いところなんだよね。マグロは頭に近い方が旨いんだ。
た、大将!?
カウンターの中から声がしたと思っていたが、急にいなくなったぞ。いや違うか。中トロを食べた口の中が、無意識に日本酒を頼んでいたんだったか。それを取りに行っていたのか…
大将:
その日本酒は、「大将の隠し酒」だね。隠し酒っていうぐらいだから、いつもある訳じゃないし、何があるとも決まってない。メニューに載せない気ままな隠し酒だね。
うにとイクラ
一口で頬張ると、一気に口の中に芳醇な磯の香りが広がる。これは何とも言えん!
大将:
そいつぁ無添加のウニ。味が濃いでしょ?
確かに。芳醇な香りは日本酒を流し込んでも、まだ口の中に残っている。これが、ウニが本当のウニらしい味をしているというヤツか…
ウニを理由に日本酒で勝ちに行っちゃいましたね?