2016年9月16日

【歴史探訪】-「象の鼻パーク」のある場所の成り行きを訪ねる-

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佐野 文彦 佐野 文彦

明治のころの形状に戻る「象の鼻」

関東大震災を経て、機能的にスリムになった「象の鼻」ですが、実際はどのようになっていたのでしょうか。

ここに、1977年撮影の航空写真があります。

国土地理院ウェブサイト(空中写真CKT771-C6B-39を切り取り拡大)

昔の「象の鼻」を知っている方々には、懐かしい写真ですね。象の鼻パークのところには、青緑色した屋根の大きな倉庫が建ってます。倉庫と港の間には、桜木町から山下公園を通って山下ふ頭までつながっている線路があります。港の部分にはたくさんの「ダルマ船」が停泊しています。

そして何といっても、「象の鼻」の防波堤がとてもスリムで、あくまで防波堤としての機能に特化したままであるということがよくわかります。

「象の鼻パーク」一帯が今とは全然違う様相で、全然違う使われ方をしていたのですね。その昔、横浜公園から日本大通りを見渡すと、通りの向こうに大きな倉庫が建っていたのを思い出しました。

 
そして現在の「象の鼻パーク」一帯の航空写真です。

 
航空写真からも分かるように、明治のころの「象の鼻」防波堤をほぼ忠実に復元しているのがよくわかります。案内板にも書いてありましたが、全体の姿が明治中期のものと同一になるよう、残されていた写真や工事記録を参考にされたそうです。

また復元工事の最中に、関東大震災で沈下してしまった防波堤の石組みや舗装の石材が発見されたので、一部をそのままの形で保存・展示するとともに、復元した石組みにも使用されているそうです。

防波堤の端のほうを撮影してみました。

沈下したまま保存している石組みを見つけるのは出来ませんでしたが、できるだけ昔の石組みを使っている様子はよくわかりました。

おまけ

ここからは歴史的な話題を外れますが…

せっかく「象の鼻」防波堤の先端まで来ましたので、やはりやってみたいことはあります。「象の鼻」防波堤の上から、「三塔」が見えるのでしょうか?

写真で見る限り、キング(県庁)とクイーン(横浜税関)はすぐにわかります。実はジャック(開港記念館)の塔も見えてるのですが、どれかわかりますか?

実はジャックは、この○で囲んだところなのです。

手前のクリーム色のビルがなければ、もう少ししっかり見えるところもあるかも知れません。本当にこれなのかどうかについて、やはり大桟橋まで行って確認してきました。

わかりますか?

港に係留しているボートよりも手前側に、「象の鼻」防波堤があるのはわかりますね。その向こうのクリーム色のビルの向こう側に、こっそり佇んでいます。

おわりに

ずっと気になっていた「象の鼻」。

今回やっと、「象の鼻パーク」となっている一帯の過去から現在までの変遷を掘り起こすことが出来ました。やはり関東大震災後の復興事業は、何においても港としての機能回復優先だったでしょうから、シンプルな直線形状になってしまうのは仕方ありませんね。

でも現在は、昔の丸みを帯びた「ゾウの鼻」の形状に戻ったことがわかったので、なんだかほっこりとした気分になりました。

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この記事の著者

佐野 文彦

佐野 文彦博士

滋賀県で生まれ、学生時代を福井で過ごす。社会人になってからは、横浜を生活拠点としている。本業の傍ら、ジャズやゴスペル・ファンクなどでサックス演奏や、コーラスグループでの合唱活動も行っている。横浜が自分の歌や演奏で満ち溢れるといいなどと、大風呂敷な夢を持ち歩いている。彷徨うような街歩きが大好き。

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